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【こまどり】新潟濃厚味噌ラーメンの元祖!素材や技術にこだわり抜いた一杯
にいがた

【こまどり】新潟濃厚味噌ラーメンの元祖!素材や技術にこだわり抜いた一杯

「ごっつぉLIFEグルメ」では、各エリアでご登場いただいた皆さんから地元の熱愛グルメをご紹介いただきます。
今回は小林履物店の小林正輝さんからご紹介いただいた、新潟市西蒲区にあるラーメン店「こまどり」さんです。

私がおすすめします!

小林 正輝さん

新潟市西蒲区

小林履物店

小林 正輝さん

小林さんの記事はこちら

おすすめポイント

巻で味噌ラーメンというと、真っ先に「こまどり」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。それくらい新潟では名店として知られているラーメン店で、新潟5大ラーメンの一つ「新潟濃厚味噌」の発祥ともいわれています。
平日も週末も、昼時は行列必至。ある程度、並ぶのを覚悟でお邪魔しましょう(笑)。

私がお邪魔するといつも頼むのは「バター味噌ラーメン」。なんですが、初めて訪れるなら、まずはスタンダードな「味噌ラーメン」を食べていただきたいですね。太麺と濃厚なスープが絶品で、ニンニクの風味もやみつきになります。特大餃子もぜひ味わってみてください。

新潟の濃厚味噌ラーメンを広めた巻の名店

小林履物店と同じく、新潟市西蒲区巻地区に店を構えるこまどり。角田山の麓にあるお店で、巻潟東インターからは車で約15分、JR巻駅からは車で10分ほどの場所にあります。

こまどりといえば、新潟5大ラーメンの一つ「新潟濃厚味噌ラーメン」の元祖と称される名店!創業は1973年、以来50年以上にわたって、県内外のラーメン愛好家を魅了し続けてきました。

現在は社長であり二代目店主の渡邉光昭さんが中心となってお店を営んでいますが、今回は特別に創業者である会長の渡邉利明さんが案内してくださいました。80歳を過ぎたという渡邉さんですが、調理白衣を身にまとって厨房に立つその姿には、職人としての誇りと貫禄がにじみ出ております!

店内は広々とした小上がりがあり、席数は80席ほど。ラーメン店らしからぬ席数に驚かされますが、土日になれば、開店して間もなく席が埋まってしまうほどの人気ぶりです。

味噌ラーメンの他にも一品料理など、バラエティ豊かなメニューがそろっています。

こちらは厨房の様子がよく見えるカウンター席。渡邉さんは「料理は見せるもの」という信念を持ち、食材を炒める音、湯気の立ち上る様子などを楽しめる店づくりを大切にしています。
「厨房から中華鍋を熱してジュッと油が入った音や、野菜を炒めている匂いがしてくると、お腹が空いてくるでしょう?作っている様子を感じてもらうことで、お客様の食欲を刺激できたらと思っているんです」
確かに!渡邉さんの言葉からは、五感全てで楽しませる「演出」への情熱が感じられます!

おいしく味わってもらうための揺るぎない技術と哲学

こまどりには看板商品の「味噌ラーメン」の他にも「味噌五目」「バター味噌」「ごまだれ味噌」など、6種類もの味噌ラーメンを提供しています。

使用する味噌は新潟をはじめ、岡山、長野、広島など全国各地から取り寄せ、それぞれの味の特性を生かしながら独自の配合でブレンドし、メニューごとに異なる味噌だれを使用。
また、スープと抜群の相性を誇る麺も重要な存在です。こまどりでは太麺、平麺、細麺の3種類を用意し、看板メニューの味噌ラーメンには弾力のある太麺を使っています。

上越や栃尾の味噌、信州味噌など各地の味噌を組み合わせて、味噌だれを作ります。麺も小麦粉の配合を試行錯誤して現在のものに。

「味噌ラーメンの太麺は、特ことぶきとヨットという二つの銘柄の小麦粉を組み合わせて、コシがありながらも軟らかさが出るように仕上げます。そうすることで、スープの味を麺にしっかり絡めることができるんです。その昔、太い麺を作りたいと思って仙台の製麺所に相談したのですが『うどんでも作るの?』と笑われたもんですよ(笑)。うどんよりも少し細く、ラーメンよりも太い、絶妙な太さの麺を実現しました」
味噌にも麺にもこだわり満載!渡邉さんの言葉一つひとつに、素材へのこだわりと熱意が込められているのを感じます。

調理風景も覗かせてもらいました。

中華鍋ではキャベツやモヤシ、ひき肉、キクラゲをラードで炒めている真っ最中!スープには赤味噌をベースとしたたれを入れて仕上げ、丼に炒めた野菜を盛り付けて……お待ちかねの一杯が完成です!

大きなすり鉢状の丼の中には麺を覆うように野菜がたっぷり!熱々のスープからは味噌とニンニクの濃厚な香りが立ち上ります。野菜とひき肉の旨みが溶け出したスープは、モチモチとした太麺との絡みも◎。

こちらが新潟5大ラーメンの一つ「新潟濃厚味噌ラーメン」の元祖とされる「味噌ラーメン」(880円)。一般的な味噌ラーメンよりもスープが濃厚で、しょっぱさとコクも強いことから「濃厚味噌」と呼ばれるようになったそう。

一緒に運ばれてきた小さい器に入っているのは「割りスープ」と呼ばれるもの。このスープを入れることで、味噌の濃さを自分で調整することができます。
初めてこまどりの味噌ラーメンを食べるという方は、まずは割りスープを入れない濃厚なスープを味わってから、お好みの濃さに調整するのがおすすめです。
さらに“味変”を楽しむなら、特製南蛮味噌も欠かせません。これは渡邉さん自ら韓国へ足を運び、現地の味を研究して開発したもの。ピリッとした辛みが濃厚な味噌味によく合いますよ。

手前は「餃子 5個」(700円)。奥は皮によもぎを練り込んだ「よもぎ餃子」(650円)。肉とエビが入った「よもぎ餃子」は自家製ポン酢でいただきます(写真左)。
渡邉さんが辛さにこだわり抜いた特製南蛮味噌。ラーメンのスープ、餃子のたれに加えて、味の変化を楽しんでみてください(写真右)。

こまどりといえば、特大サイズの手作り餃子も名物!1個83gものボリュームがあり、もっちりとした皮とジューシーな餡のバランスが絶妙です。
「最初は餃子のたれで、途中から南蛮味噌を付けて食べるのもいいですよ」と渡邉さん。お店でいただくのはもちろんテイクアウトも可能です。
それぞれのメニューに込められている、渡邉さんの技術や哲学が随所に感じられます!

今も昔も愛される青春の味

さて、新潟濃厚味噌ラーメンで名高いこまどりなんですが、ルーツは渡邉さんのお母様が経営していたという焼き鳥屋。その店を若き日の渡邉さんが受け継ぎ、メニューの一つとしてラーメンを出し始めたことが、ラーメン店としての始まりでした。

ちなみに……味噌ラーメンが名物になった背景には興味深い歴史があります。
それはかつて、こまどりが学生食堂だったということ!
昭和47年から13年ほどの限られた期間でしたが、県立巻高校の学生食堂を切り盛りしていたのが、なんと渡邉さんだったのです。しかも、新潟県内の公立高校に学生食堂が設けられたのは、昭和47年に巻高校が初めてだったそう。いろんな偶然が重なっているのも面白いですよね!

「ご縁があって、巻高の学生食堂で料理を作ることになりました。とはいっても、学生さんは通常のうどんや蕎麦だけでは満足しなかったからね(笑)。高校生がしっかり食べることができて、栄養のあるものを提供したいと、その当時考えたんです」と渡邉さんは振り返ります。

食べ盛りの高校生にうってつけな食べ物は何か?
渡邉さんが高校生に「何か新しいものを」と考え、北海道にまで視察に行って出会ったのが味噌ラーメンでした。

「そこでふと考えたんです。キャベツなんかは身近に農家さんもいっぱいいるし野菜をたっぷり入れて、麺も思い切り太くして食べ応えがあるラーメンはどうかと。
極め付けはニンニクですね!食べてスタミナを付けてほしいと思って、たっぷりニンニクを効かせることにしたんです。濃い味でボリュームもあったから、瞬く間に学生さんにウケてね。先生方にも好評でした。ニンニクが効いているおかげで、味噌ラーメンを食べてから電車に乗ると『こまどりで食べたのが分かる』なんて笑い話もあってね(笑)」

腹ぺこの学生たちをお腹いっぱいにしてあげたい。そんな思いから誕生した、こまどりの味噌ラーメン。以来、半世紀以上にわたり、新潟のラーメン文化の一翼を担い続けてきました。当時の巻高校の卒業生はもちろん、今の在校生にも親しまれている、まさに巻を代表する青春の“味”というわけです。

取材の帰り際には「今、ごぼうを使った新しいラーメンを考えているんです。笹がきごぼうを山盛りにして、香ばしい風味を楽しんでもらうラーメンね。また取材に来て!」と笑う渡邉さん。
新メニューの開発にも余念がなく、今も新たな挑戦を続ける渡邉さんの姿に、元気をもらいました。ごぼうラーメン、今から完成が楽しみです!

渡邉さん、ごちそうさまでした!

こまどり

店名こまどり
住所新潟市西蒲区竹野町2454-1
地図
アクセスJR越後線 巻駅から車で約10分、徒歩約45分
北陸道 巻潟東インターから車で約15分
営業時間11:00~14:30、土曜・祝日11:00~15:00
定休日木曜(祝日の場合は営業)
電話番号0256-72-2827

※各種情報は原則記事公開時のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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