阪井 明子 (さかい あきこ)さんの自己紹介
生粋の五泉市民!高校から寮生活を経験したことで、人一倍地元が大好きになりました。大学卒業後は自由気ままに生きるはずが、母の勧めで長野県松本市にある服屋さんに数年勤務。貯めたお金で海外旅行を堪能して、地元五泉に戻ってきました。26歳くらいで結婚すると同時に、中学・高校の家庭科の教員免許を持っていたので川東中学校(五泉市)で家庭科の講師をさせてもらいました。店をやりながら、学校で心の教室相談員をさせてもらった時期もあります。その頃の子どもたちが自分の子どもを連れて「やまちょう」に遊びに来てくれるのがものすごくうれしい!40代を迎え、急激にレンコン愛が上昇しまして(笑)。本物のレンコンを使ったアクセサリー作りをするようになりました。不思議でおもしろいレンコンの魅力、そしてファッションの楽しさを皆さんにお伝えしています!
PROLOGUE
地元の人気飲食店が立ち並ぶ五泉市本町。
創業1841(天保12)年の婦人服店「やまちょう」もその一角で営業しています。
2023年現在で創業から182年。
当時は呉服店として営業していたようですが、和装から洋装へ時代が移り変わると
婦人服販売に事業を変えて行ったそうです。
「どんな店なんだろう……!!」
ごっつぉLIFE編集部も由緒ある店内へお邪魔しました。
一見、ごく普通の婦人服店。
しかし、店内をよーく見てみると……
レンコンのアクセサリーに、
レンコンのベルト。
レンコンのサングラス。
レンコンのコースターまで!!
ピアスとイヤリングはまさかのレンコンパーツを選べる仕様でした。
好きな色を選んで良し。形のおもしろさで選ぶのも良し。
揺れるパーツを付けることもでき、幅広い楽しみ方があります。
五泉市といえば、色白美人のように透き通る白さから「五泉3美人」と称されるご当地野菜
「帛乙女(サトイモ)」「やわ肌ねぎ(ネギ)」「五泉美人(レンコン)」 の産地としても知られています。
そのうちの一つ、「五泉美人」のレンコンを使ったさまざまな形のアクセサリー。
どんな方が作っているのか、気になります。
INTERVIEW
レンコン愛が止まらない!斬新な商品の数々
「こんにちは〜!」と出迎えてくれたのは、やまちょうの8代目として活躍されている阪井明子さん。
とってもお茶目で、周囲を笑顔にする愛されキャラ。
やまちょうの8代目として店を切り盛りする傍ら、レンコンアクセサリーの制作やワークショップもご自身で行なっています。
「レンコンは先々を見通せる縁起物とよく言いますが、本当にいいことづくしなんです。
レンコンを毎日身に着けたくて、本物のレンコンを加工してアクセサリーを作ったのが始まりでした。
『これ、売れるかな?』って試しに店頭に置いてみたら、母には『どうしてそんなもの置くの!』とドン引きされましたが、そんな母も、今では毎日のようにレンコンブローチを着けるようになりました(笑)。
ワークショップや教室を始めるようになると、地元小学校でもレンコンアクセサリーを作る体験授業を行わせていただくようになって。
たくさんの人に楽しんでいただけて。それはもう、うれしいです!」
阪井さんが半年かけて開発したレンコンアクセサリーは、五泉の定番アイテムとして世代を問わず親しまれていました。
今でも毎日のようにアクセサリー作りをされていて、店舗2階の作業スペースにはたくさんのドライレンコンがアクセサリーになる順番待ちをしています。
身に着ければレンコンのご利益にあずかれるレンコンアクセサリー。
生のレンコンなら、ビタミンCを豊富に含んでいて健康や美容にもいい食材です。
やまちょうでは、輪切りのレンコンがかわいい和菓子「あんこん」も販売しています。
「ブランドレンコンの『五泉美人』を使った、レンコン柄がかわいいようかん『あんこん』です。
もともとは地元菓子店・寿々長(すずちょう)さんとのコラボで2019(平成31)年から販売し始めたものですが、寿々長さんの先代が亡くなられて、2023年3月に私が商品の製造・販売を引き継ぎました。
身近な食材を活用できて、五泉市のPRにもなる。
毎日のおやつに、手土産にもおすすめです」
その味わいは、実にバラエティー豊か!
こしあん、抹茶、里芋こしあん、桜味、黒ゴマ、黒砂糖があれば、
地元で採れたアロニアややわ肌ねぎを使ったものもあります。
取材時、ごっつぉLIFE編集部も「あんこん」をいただきました。
「黒ごま!」「桜!」と若干好みが分かれましたが、どれもおいしくて、何よりもレンコンの歯ごたえが最高にいい。
阪井さんのあふれんばかりのレンコン愛。
アクセサリーや「あんこん」から、ぜひ受け取ってください。
「レンコン宇宙説」が聞ける!?盛り上がり必至の服屋さん
お店のこと、レンコンのことを聞いていたら、阪井さんから突然の出題です。
「皆さん、レンコンの穴っていくつあるか知っていますか?」
そんなこと、考えたこともなかった!と、戸惑うごっつぉLIFE編集部。
「正解は10個!
では、レンコンの断面のように、真ん中に1つ、周りに9つの丸があるものといえば……?」
ちょっぴりヒントをいただきながらも、導き出した答え。それは……
「太陽系!」
「正解!」
日々レンコンに触れる中で、「レンコン宇宙説」を思いついたという阪井さん。
将来的には一冊の本にまとめ、世界平和を謳うのが目標のようです。
いったい、どんな考え方なのでしょうか?
「レンコンは真っ暗な泥の中で育ちます。
私たち人間は、真っ暗な宇宙で光り輝く存在。まさに、泥の中の暗闇に浮かぶレンコンです。
レンコンの水や空気を送り出す9つの穴から生命の起源を感じます。
宇宙の必然が全てレンコンにあるなんて。偶然ではありません!」
レンコン宇宙説を聞いたある大学の教授からは、「そうかもな〜!」とうれしい高評価も。
書籍化した暁には、その先生に帯のコメントをいただくことまで計画していると満面の笑みで教えてくれました。
いつも何気なく食べていたレンコンが、すごく特別な野菜に感じられるから不思議です。
実は阪井さん、人気TV番組「マツコの知らない世界」にも出演されたほどのレンコンマニア。
神秘的なレンコンの魅力は、ぜひ店頭で聞いてみてください。
すっかりレンコントークで盛り上がってしまいましたが、ここは婦人服店やまちょう。
洋服に、靴やバッグといったファッション小物、下着や靴下まで。
女性のトータルコーディネートがここだけで完成します。
「デパートのような幅広い品ぞろえではないけれど、狭い店内で意外な発見があるかもしれません!
素材が良くて長く着続けられるアイテムをそろえています」
「生きる=衣・着る!」というキャッチフレーズを掲げ、ファッションのおもしろさを発信してきました。
国内ブランドを中心にさまざまなテイストの商品が並び、好みに合わせたコーディネートも提案してくれます。
「10年後にはレンコンマークのロゴが入った宇宙服を販売しているかもしれませんね!」と阪井さん。
ファッション談義でも、「レンコン宇宙説」は健在です。
EPILOGUE
大人も子どもも楽しめる。唯一無二の営業スタイル。
あと18年で創業200年を迎えるやまちょう。
レディースアイテムやレンコンアクセサリーを求めて訪れる女性たちがいれば、
長年の経験を活かした洋服修繕を目当てに訪れる男性客、
造形教室「At Art」を楽しみに来店する小学生もいます。
「コロナ禍で長い間中止にしていた『At Art』も、ようやく再開できるようになりました。
月に2回の日曜日だけですが、小学生を対象に風船を使った張子体験やレンコンアクセサリー作りなどを行なっています。
参加費はお子さんお一人1,500円。
月謝制で月額3,000円、材料費込みで入会金1,000円に設定しています。
私が小さい頃に大好きだった造形教室の先生に弟子入りして、授業を再現したものです。
作品は毎回テーマを変えているので、気になった方はお電話でお問い合わせください。
兄弟、姉妹での参加も大歓迎です!」
他ではなかなか経験できないおもしろさがあるやまちょう。
パワフルな阪井さんとおしゃべりをしていると、気持ちが明るくなってきます。
オリジナル商品の数々を実際に手に取って見てみてください。
阪井さん、五泉の特産品「五泉美人」を使った
レンコンアクセサリーの裏話、そして「レンコン宇宙説」まで!
教えていただき、ありがとうございました!