廣川 明美 (ひろかわ あけみ)さんの自己紹介
フリーアナウンサー。現在はNST新潟総合テレビの「八千代コースター」にMCとして出演中。また、ホームセンターのYouTubeチャンネルに出演し、DIY歴7年半。2019年に東京出身の夫と共に新潟市に移住しました。食に、遊びに、新潟市での子育てを満喫中です!絵本講師、絵本専門士の資格を取得したので「絵本で子育て」を新潟の皆さんに広めることが夢です。
NST新潟総合テレビ、毎週土曜日の番組「八千代コースター」でMCを務めてらっしゃる、フリーアナウンサーの廣川明美さん。「地元新潟が大好きらしい」「好きすぎて、転職もしたらしい」「好きすぎて、結婚後に東京から一家で新潟に移住し、旦那さんは東京の会社にリモート勤務らしい」…そんな噂を聞きつけ、その真実に迫るべくやってきましたごっつぉライター。
初めてお会いしたはずなのに、以前から知り合いだったかのような、「あれ?ママ友だったかな?」とも思ってしまうくらい自然体の廣川さんに、終始魅了される取材となりました。廣川さんの飾らない魅力と、新潟愛あふれるエピソードをお届けします。
青森のことを知れば知るほど、新潟のことを知りたくなった
そうなんです。廣川さん、実は大学卒業後の最初の勤務先はATV青森テレビで、入社1年3カ月でNST新潟総合テレビへ…という経歴の持ち主。「入社後1年ちょっとだったので、青森テレビさんには申し訳ないことをしたのですが…」と振り返りながら、当時の思いを教えてくださいました。
「元々新潟が大好きだったので、大学卒業後は新潟に戻って仕事がしたいと思い、新潟勤務の複数業界への就職活動をしていました。一方で、子どもの頃からの夢だったアナウンサーになりたいという思いもあり、最終的には勤務地よりもアナウンサーになれることを優先し、採用をいただけた青森テレビに就職を決めました。ただ、青森で働き始めて青森のことを知れば知るほど、新潟のことが知りたくなったんです。知りたい…というより、私、こんなに新潟のことが好きなのに、何にも知らないじゃん!って気付いたんだと思います(苦笑)」
取材先で新潟出身であることを告げると「新潟はどんなところなの?」、青森のお祭りの取材に行くと「新潟にはどんなお祭りがあるの?」と聞かれることも多く、そのたびに答えられない自分を情けなく思った廣川さん。この思いは募り続け、入社後1年が過ぎる頃、ちょうど仕事の区切りもあり、転職を決意したそうです。
「思い立ったらすぐ、新潟のテレビ局に電話していました(笑)」
自らの気持ちに素直に、そして即行動に移された廣川さん。思いの強さと行動力が引き寄せたんでしょうね。転職先もスムーズに決まり、夢だったアナウンサーのお仕事を大好きな新潟でできることに。新潟の魅力をお仕事を通じて多くの方へ伝えるだけでなく、プライベートで再び取材先を尋ねることもよくあったそうで、公私の境なく新潟を堪能された日々ですね。
「10年の節目に新たなステップへ」と決めた、フリーアナウンサーへの転向
廣川さんがフリーアナウンサーへ転向されたのは、2015年7月のこと。ちょうどアナウンサー歴10年の節目の年だったそうで、「新たなステップへ進みたい」と思って決意されたとのこと。その後、ご結婚や出産をされているので、てっきりそのことがあっての決断かと思いきや、全く関係なかったそうです。
「新たなステップへ…と思いつつ、特に東京でバリバリ働きたい!とか、そういうのはなかったんですよね。もちろん、結婚も出産もその時は考えていませんでした。どちらかと言うと、ちょっとゆっくりしたいかな…という思いが強かったかもです(笑)。そんな私ですが、フリーに転向した直後から、古巣のNST新潟総合テレビの八千代コースターを担当させてもらって、感謝の気持ちでいっぱいです」
本当に廣川さんは自然体。たぶん誰に対しても変わらず、このままの姿で、自分に素直に、相手にも正直に向き合われる方なんだろうなと、お話を聞いていてつくづく思いました。無理なく自然に、人生を歩んで来られたことがよく分かります。
東京在住・新潟勤務の日々
ご結婚後はご主人が東京在住・東京勤務だったこともあり、廣川さんも東京に住み、収録のある日は新幹線で新潟へ…という日々に。お子さんが生まれてからは、お子さん連れで新幹線に乗り、ご実家に預けてお仕事へ…という日々だったそうです。特にそこまで大変だと感じたことはなかったそうですが、ある日、ご主人から思いがけない提案が。
「新潟に住もうか、と主人から提案があったんです。私からは一言も言っていないのに。毎週子連れで新幹線に乗っていることを、実は心配してくれていたみたいです」
と廣川さん。
自宅についても「もう少し広い場所で子育てがしたい」と考え始めていた時期だったそうで、「新潟だと同じお金で、こんなに広い土地が買えて、こんなに広いおうちに住めるんだね!」とご主人が気付いたのも、新潟移住に向けて背中を押すきっかけの1つだったんじゃないかとのこと。こちらも思い立ったら即行動の廣川さんらしく、とんとん拍子に話が進み、1年後の2019年にはご家族で新潟に移住されました。
シンプルでミニマルな新潟の暮らしが好き
新潟に移住されたのち、ご主人は元の勤務先にリモート勤務。2019年と言うとコロナ禍前ですが、ご主人の勤務先ではリモート勤務の体制がすでにあったと言います。…とは言え、東京生まれ・東京育ち・それまでずっと東京勤務の方が急に新潟に来て、戸惑うことも多いのではないかと、新潟移住の感想を聞いていただいたところ…
「特に戸惑うことはなく、暮らしやすいです。東京に比べると、ありとあらゆる面でモノやコトが必要以上にないので、逆に暮らしはシンプルでミニマルで好きです」
とのこと。
「確かに東京だと、お洋服1つ買いに行こうと思っても選択肢がありすぎて、まずどこに行こうか決めなきゃですもんね。その点新潟はある程度限られているから、迷わなくていい。楽ですね(笑)」
と廣川さん。
モノやコトが必要以上にない。
限られていることで楽になる。
ハッとさせられました。「ちょうどいい暮らし」の「ちょうどいい」は、「ありすぎないこと」でもあるんですね。廣川さんのご主人から、新たな視点を頂きました。
中米産のカカオ豆とチョコレートの魅力を伝えるご夫婦が松浜に
お仕事を通して、新潟のいろんな方々と出会って来られた廣川さん。そんな廣川さんなら、まだ知らない人も多い「新潟の魅力的な人」をご存じであろうと思い、おふたりご紹介いただくことに。
1人目はロメロトレードさんという、カカオ豆とチョコレートを中米から輸入販売されている商社。新潟市北区の松浜に自宅兼事務所があり、コスタリカ出身のご主人と松浜出身の奥さまのおふたりで経営されているそうです。
「八千代コースターのバレンタイン企画で“カカオの魅力を教えてもらおう!”ということでお訪ねしたのが最初でした。その時は奥さまにしかお会いできなかったのですが、その後、再び取材で伺い、今度はご主人のロメロさんと一緒に、カカオを使ったメニューを提供しているお店を巡りました」
「カカオって何?カカオ=チョコレートじゃないの?」くらいしか知識がなかったという廣川さんも、ロメロトレードさんでお話を伺い、カカオの奥深い魅力を初めて知ったそうです。
「カカオへの愛が溢れるおふたりのお話がとてもおもしろいので、ぜひ会っていただきたいです!」
とご紹介くださいました。
私も「カカオって何?カカオ=チョコレートじゃないの?」という状態なので、新たな世界に出会えること、楽しみです!
家族でよく行く農家レストラン「ラ・トラットリア・エストルト」
2人目は、新潟市北区にある農家レストラン「ラ・トラットリア・エストルト」さん。出会いをさかのぼっていただくと、2013年に自身がキャスターを務めるニュース番組の中で、トマトの取材でタカギ農場(高儀農場)さんと中継をつないだこと。この時に農場のオーナーさんが「将来はここで農家レストランをやりたい」と仰っていたことが気になって、2016年のオープン時にはプライベートですぐに行かれたそうです。それからずっと、ご主人も娘さんも大好きなレストランなんだとか。
「予約しないで行くと1時間くらい待つんですけど、とにかくおいしいので1時間待ってでも食べたいです(笑)。春は待っている間にお店のそばのビニールハウスでいちご狩りも楽しめるので、子どもも飽きずに待ってくれます」
と廣川さん。
本当だ…、どれもおいしそう…。
(上記3点、廣川さんご提供のエストルトさんのお料理写真です)
「ただ、オーナーさんとはお知り合いではなく、ただのファンですが(笑)大丈夫ですか…?」
と廣川さん。
大丈夫です!「廣川さんが大ファンでよく行かれるそうで」とお伝えしたら、大変喜んでくださっていました。このおいしさの秘密、農家レストランを始められた経緯や思いを伺ってきますね!
新潟の魅力は優しい人たち
最後に「どうしてそんなに地元新潟が好きなのか?」「どこが1番好きなところなの?」という素朴な疑問を、廣川さんにお尋ねしたところ…
「とにかく“人が優しいところ”だと思います。特に大学時代、東京に住んで実感しました」
と。また、こんな微笑ましいエピソードも教えてくださいました。
「昔、母と電車で会津へ旅行に行った時、車内で私が“お腹すいたー”って何度も言うもんだから、向かいに座っていたおばあちゃんが、“これ食べなさい”っておにぎりをくれたんです(笑)。ほんと新潟って優しい人が多いですよね」
見ず知らずの人にもおにぎりをおすそ分けしてしまうくらい、素朴で心優しい人が多い新潟。分かる気がします。特に冬の雪の日なんて、雪にタイヤがはまって大変な時、見ず知らずの人同士の助け合いを目にしますからね。
廣川さんのとっておきの「新潟のほんわかエピソード」、ありがとうございました!