知る人ぞ知る阿賀野市のパワースポット 旦飯野(あさいいの)神社は、 ご兄妹が守る心優しい祈りの場だった。

知る人ぞ知る阿賀野市のパワースポット旦飯野(あさいいの)神社は、ご兄妹が守る心優しい祈りの場だった。

あがのagano
阿賀野市(笹神)

旦飯野神社 (あさいいのじんじゃ)さんの自己紹介

旦飯野神社の創建は、仁徳天皇元年(313年)に大山守皇子へ貢米を奉った際に「角鹿笥飯大神、飯津神を祭れば汝の里に百姓また種物が出来る」との御教によって、旦飯野神社と号し、奉祭したことによります。長野麿(神官の大祖)なるものが、応神天皇(第15代天皇)の御弓、御衣、御石を祀ったとされる八幡宮であり、日常生活に根ざした諸願成就の神さまです。誉田別命(応神天皇=八幡大神)を御祭神としてお祀りしています。

今板温泉の一軒宿「湯本舘」の若女将、永松さんからご紹介を受け(「ごっつぉLIFE阿賀野市1-1」参照)、「(ここ数年でものすごく有名になった)秘密を探ってきてください(笑)」との命を受けて訪れた、旦飯野神社さん。宮司の鈴木康寛さんと、一緒に神社をお守りされている妹の小川寛子さんにお話を伺うことができました。

…と言っても、「初めまして」の状態で、どこまで突っ込んだ話をしていいものか。内心ドキドキしながら1つ1つお伺いすることに。

妹さんが加わることで吹いた「新しい風」

鈴木宮司さんの妹である小川さんは、2018年に前職を退職され、お兄さまと一緒に実家である旦飯野神社をお守りするようになったそうです。鈴木宮司さんは8歳年下の小川さんのご意見を積極的に取り入れられ、新たな取り組みをされているとのこと。

小川さんが着てらっしゃる、この黒いツナギのような服も、なんと妹さん考案の、神社公式ユニフォーム(作業着)!

「よく“カッコイイねぇ!”と声をかけられます(笑)」

と小川さん。

「もちろん神事の時は袴をはきますが、神事以外は動きやすさ重視で!」

とのこと。

この他にもユニフォームは何種類かあり、職員さんはその時々で好きなものを着るそうです。色のバリエーションもあって「今日はこの色にしよう♪」と選ぶ楽しさも。妹さんが加わることで、「新しい風」が吹いた旦飯野神社さん。「神社」の既成概念に囚われない発想に、お話を聞いていてワクワクしました。

「本当に助かっています。私のカチコチの頭じゃ考えられないことをしてくれるし、“より気持ちよくお詣りをしてもらうにはどうしたら良いだろう”と一緒に考えてくれるので。」

と鈴木宮司さん。

お詣りに来られた方へお渡ししているこれらのオリジナルグッズも、妹の小川さんが中心となって考案・制作をされているそうです。(…あ!手ぬぐいは、湯本舘の若女将からご紹介いただいた「藤岡染工場」さんのものだ!)

単刀直入に聞いてみました

こんな風に取材や写真撮影をしている間にも、ひっきりなしに車が入り、参拝者の方が途絶えることがありませんでした。…さて、本題に入ろうと思います。

あの…宮司さん…、単刀直入に伺いますが、どうしてこんなにご参拝の方が多いのでしょうか?湯本舘の若女将さんも「いつの間にか有名になってしまって…」と仰っていました。

すると一瞬、鈴木宮司さんの表情が曇った気がしてドキッ…。

「そうなんですよね。“昔の静かな旦飯野神社さんが良かった…”と仰る方も多くて。湯本舘の若女将さんも、きっとそうでしょうね…」

いやいや!若女将さんは「旦飯野神社さんにお詣りに」と言って、泊まりに来られる方がここ数年で増えた…とお喜びでしたよ!

「そうですか。それは良かった。神社は地域の方々によって生かされているので、地域の方々にとって良い存在でいたいんです。」

よくよく聞くと、今回の取材も「地域のためになる」と判断されて受けてくださったとのこと。ありがとうございます!

有名になったきっかけはご利益の口コミ

「特にこれと言って、大きなきっかけはないんですよ。昔から、神さまのご利益を受けた方が、“次は家族と一緒に、次は友人を連れて”とご紹介くださったのと同じです。昔と違うのは、SNSでしょうかね。この口コミがSNSの普及で、昔では考えられないくらいに早く、遠くの方まで届くようになりましたからね」

と鈴木宮司さん。

「“人が大勢いる時はちょっと”…と思われる、昔からお詣りに来られていた方は、朝早くとか、夜遅くに参拝されるようになりました。うちは24時間営業。いつでもお詣りいただいて結構です」

こちらは社殿へと続く長い階段。旦飯野神社のシンボル的な存在で、先ほどのオリジナル手ぬぐいデザインもこれがモチーフになっていました。24時間いつでもお詣りできるとは言え、夜遅くはちょっと怖いだろうな…、真っ暗だろうしな…、と思っていたら、

「24時間お詣りいただけるようにしていますが、やはり暗闇・静けさというものは、心清らかではない方にとってはとても怖いもののようで、これが自然のセキュリティになっているみたいですね(笑)」

と鈴木宮司さん。
暗闇の怖さは、私の心の問題でした…(笑)。

宮司さんもお詣りの方から教えてもらった、御神霊石のご利益

「社殿の真後ろにお祀りしている“御神霊石”からも、多くの方がご利益を受けてらっしゃるようで、ご参拝の方が増えたのは、その効果もあると思います」

と、ご案内くださったのが「御神霊石」が、こちら。

社殿の真後ろにある、大きな丸い石です。

「実はね、私も知らなかったんですよ。お詣り来られた方が、皆さん社殿の裏に行かれるので、なんでかなー?と思っていたんです。そしたら“えぇ!?宮司さんご存じないんですか!?有名ですよ、あの御神霊石に触るといいことが起こるって”と、ある時お詣りの方に教えていただいて(笑)」

まさかの展開!(笑)
そうなんですね!
宮司さんもご存じなかったとは!

お話を詳しく伺うと、元々あの石は神社にあったものではなく、昭和50年代に地域の方から寄贈されたもので、五頭山麓の「折居山」から出てきたもの。川を流れて丸くなったわけではなく、このままの大きさ、このままの丸さで出土したそうです。

「霊感が強い方からは、“龍神さまがあの石にいらっしゃる”と言われたこともあります。子宝が授かったという方もいらっしゃいますし、何かチカラがあるんでしょうね」

全く飾ることなく、お話しくださる鈴木宮司さん。
ありがとうございます…。

全ては「気持ちよくお詣りしていただけるように」

その他にも旦飯野神社さんが、多くの方に愛される理由は、境内のあちこちにありました。事前に検索した時も「親切すぎる神社」や「優しすぎる神社」というような表現もたくさん出てきた通り、長い階段を上る手前には杖が置かれており、雨傘も「ご自由にどうぞ」と置いてある。また、おみくじも御朱印も無料で、飴やお野菜を自由に持ち帰ることができます。

公式ホームページにも「旦飯野神社では、おみくじや福飴、御朱印などを神さまからの “ おさがり(めぐみ)” としてご参拝の皆さまへ無料で頒布(お配り)しています。「無料」とは金銭を表すものでなく、おさがりを表しています。」とありました。

「私たちはとにかく、来られた方が気持ちよくお詣りしていただけるように、神さまとゆっくりと心静かに対話できるようにと思ってやっているだけです。境内にあるいろんな工夫や整備もそのためです」

と鈴木宮司さん。

一方、鈴木宮司さんのこの思いに沿って、いろいろと工夫して動くことにやりがいを感じていると言う、妹の小川さん。小川さんの発案で、工夫や整備を新たに考えることも多いのだそうです。

「神職としてはまだまだなのですが、こうやって奮闘する姿を子どもに見せられることもいいのかな、と。“かぁちゃん頑張って!”と息子たちも応援してくれています(笑)」

と。

また、鈴木宮司さんの一人娘さん(小川さんにとっては姪)が後を継ぐことも見据えて
「(女性神職として)おばちゃんがそれまで頑張るからね!という思いでやってます」
とのうれしそうに、力強く仰っていました。

ご家族への愛情と、参拝される方への愛情。
なんだか愛がいっぱい溢れている空間に、ホッコリしました。

五頭山との深いつながり

最後に鈴木宮司さんが、「旦飯野神社と五頭山との深いつながり」について教えてくださいました。

「旦…という字の下の横棒は五頭山の尾根。その尾根から日が昇ることを表したのが“旦”の字です。“飯野”はこの辺り一帯の豊かな土地を表しています。ですので、“旦飯野”という名前は、五頭山から昇った太陽が、豊な大地を明るく照らすという意味です。」

旦飯野神社さんは五頭山を背に建っているので、五頭山から昇った太陽が、旦飯野神社さんから見ると社殿の後ろから昇ってくるように見えるのです。

「私はここで生まれ育ち、ずっと五頭山と共に暮らしてきたのですが、やはり五頭山はいいですね。毎年5月3日の山開きの際には、山頂で安全祈願祭を執り行っています。コロナ禍になってからは、山頂で密になるのが良くないとの判断で山の麓で行っていますが、やっぱり山頂でやりたいです」

と鈴木宮司さん。

宮司さんの五頭山への思いは昔から強いようで、中学校の卒業文集には「五頭山を日本で1番有名な山にしたい」と書かれたそうです。

「そう言えば、私の地元の同級生も同じようなことを言っていましたね。“旦飯野神社がもっと有名になれば、俺も結婚できる!あの旦飯野神社があるところの方なんですね!って言われるようにしてくれ!有名になってくれ!”って(笑)。そういう意味では、今こうやってたくさんの方にご参拝いただけるようになって、“旦飯野神社があるから新潟へ行ってみよう、阿賀野市に行ってみよう。帰りにはあそこに寄ってみよう”となっていただければ、これ以上にうれしいことはないです」

優しさ溢れる祈りの場

お話を聞いていると、おふたりの口調とお声が似てらっしゃるのもあり微笑ましく、心がまぁるくなる感じがしました。本当におふたりともお優しく、ここに来られる方の心安らかな時間を大切にされていることが伝わってきました。旦飯野神社さんは、ご兄妹が大切に守ってらっしゃる優しさ溢れる祈りの場でした。

(境内のあちこちに建てられた「大丈夫」ののぼりも、コロナ禍で不安な気持ちになりがちな時、「大丈夫だ」と思ってもらいたくて作ったものだそうですよ)

【おまけ】
旦飯野神社オリジナルスイーツ!

さて、おまけのスイーツ情報です!
こちらも心がまぁるくなる、ホッコリ和スイーツ!
旦飯野神社さんの駐車場の脇にある小さな小屋。「たい焼き」を売っているのかと思ったら、お店の看板には「あん鯛」の文字。信仰の篤い方が「旦飯野神社にも何かおいしい名物を」と発案され、宮司さんの許可を得て始められたそうです。

「あん鯛」は「一年安泰」の「安泰」と、旦飯野神社さんの御神楽「鯛釣りさま」(恵比須さまのことを、旦飯野神社さんでは「鯛釣りさま」と呼ぶそうです)にちなんだもの。しっとりモチモチの皮はほんのりと黒糖の風味がありポッポ焼きのよう。中は甘さ控え目のあんこがたっぷり。おいしかったです…。お詣り前に声をかけておけば、帰りに受け取れるように焼いてくださるそうですよ。

私はこれを目当てに…いや、今度はゆっくりとお詣りに、またお邪魔したいと思います!ありがとうございました!

(鯛の焼き印がかわいい「あん鯛」)

旦飯野神社さんの特別なこと
参拝者の方への思いと
五頭山や地域への思い
お腹いっぱい頂きました!
ごっつぉさまでしたー!!

旦飯野神社さんの#マイごっつぉ

社殿背後から昇る朝日

旦飯野神社さんの「マイごっつぉ」は、社殿背後から昇る朝日。五頭山を背に建つ旦飯野神社さんは、五頭山から昇った朝日が、このように社殿背後から降り注ぐのです。この写真を撮った日は空も晴れており、太陽が昇る位置もちょうど真ん中近くで、いつもにも増して神々しく、美しかったとのこと。「こういう写真を、LINEで知人に送ってあげることがあるんです。元気づけたいな、と思って」と宮司さん。受け取られた方は、さぞかしお喜びになるでしょうね。天候にも左右されるので、とても貴重なお写真をご提供いただきました。ありがとうございます。

前の記事

豊かな水が生む美しさ。藤岡染工場の女性職人さんに聞いた染物の魅力とこれから。

HOME
次の記事

子育ても仕事も大好きな地元新潟で。フリーアナウンサー廣川明美さんの新潟での「ちょうどいい暮らし」。