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「どれを食べてもおいしい!」 知る人ぞ知る五泉の名農家 家族と、お客様と、はぐくむ絆

「どれを食べてもおいしい!」知る人ぞ知る五泉の名農家家族と、お客様と、はぐくむ絆

ごせんgosen
滝沢農園

滝沢 修一 (たきざわ しゅういち)さんの自己紹介

1977年、五泉市生まれ五泉市育ちです。江戸時代後期から続く農家の長男として生まれ、私で8代目になります。学校を卒業してから食品工場に就職し、のちに家業に入りました。趣味は妻とバイクツーリングにでかけることと、家族で旅行することです。

PROLOGUE

「いや~これまで取材の依頼をいただいても全部お断りしていたんですよ。今回は塚野さんからのご紹介ということで……取材は初めてだから、ちゃんと喋れるかな~」

ちょっと困りながらも笑顔で話す滝沢さん。五泉市で200年以上続く農家「滝沢農園」の8代目です。

前回おじゃました、塚野刺繍株式会社の塚野友恵さんが滝沢農園の大ファンだということから、この度ご縁をいただきました!

農家さんの大ファンとは、美味しい野菜やお米に惹かれたのでしょうか?

塚野さんに詳しく伺ってみると……実は滝沢農園の滝沢さんは、知る人ぞ知る養蜂農家さんでもあったんです!

※ご提供画像

「正直に言うと、ハチミツはあまり広めたくないんです」と意表を突くセリフをおっしゃられる背景には、同園ならではのこだわりや、ライフスタイルがありました。

今回は、滝沢農園さんにお伺いして、農園のことや養蜂を始めたきっかけなどについてお聞きしてきました。

INTERVIEW

200年以上続く歴史ある米農家

五泉市と新潟市を結ぶ、県道7号線。その道沿いの電柱に貼られた「新鮮やさい直売所」の看板。おっとっと…うっかりしていると見落としちゃいそうです。

滝沢農園やさい直売所の営業日は、火・木・土曜/8:00~17:00頃まで。

ここは滝沢農園の直売所。こちらではその日収穫したての新鮮野菜が並びます。旬の野菜がとってもお得な価格で販売されていました!

この直売所がある敷地内の奥には畑が広がります。

取材にお伺いした7月下旬は、夏野菜が元気に実っていました。

「野菜は私が栽培しているわけではなくて、主にうちの母ちゃんが作っています。滝沢農園としては米づくりがメインで、お米は私と父ちゃんでやっています。農協に卸しているほか、県外の飲食店や新潟市内のお弁当屋さん、高速道路のサービスエリア、あとは個人のお客様などにも届けています。父ちゃんが『うちのお米のファンを作りたい』と販売先の開拓を始めたのをきっかけに口コミで広まっていき、おかげさまで毎年うちのお米を楽しみにしてくれる方が大勢いらっしゃるんですよ」と滝沢さん。

滝沢農園は代々続く米農家さんなのです。米農家と養蜂家、どうやってつながったのでしょうか?

好奇心からはじまった挑戦

米農家の長男として生まれ、ご両親の苦労を目の当たりにしてきた滝沢さん。自身が農家を継ぐことに対し、実はあまり前向きではなかったとのこと。ただ“使命感”のようなものを感じ家業に入ることにしましたが、「せっかくやるなら楽しくやりたい」と好奇心旺盛な性格を活かして、従来の米づくり以外にも目を向けるようになったそうです。

それが、イチゴの栽培でした。

越後姫イメージ画像

「ちょうどその頃『越後姫』がブランド化された時期で、農業普及指導センター主催の『いちご塾』という、越後姫の栽培を学ぶ講習会があったんですよ。その塾で栽培方法を学んだのがはじまりでした。イチゴの栽培は大きく分けて水耕栽培と土耕栽培があります。それぞれに良し悪しがありますが、うちは大きな予算をかけて設備投資をすることに抵抗があったので、土耕を選びました。でも、土耕って低い姿勢で作業をするので身体に負担がかかるんですよ。ただその分、味が濃くておいしいイチゴが実るんです」。

※ご提供画像

真っ赤で色濃く、つややか!写真で見ているだけでも、おいしさが伝わってきます。

しかしこのイチゴ、市場にはほとんど出回らないそうです。なんと門外不出?!それは、どうしてでしょうか?

「うちの奥さんが美容室をやっているんですが、イチゴの栽培を始めた頃、美容室にいらっしゃるお客様に、ドリンクと一緒にイチゴもお出ししていたんです。すると、一粒食べたお客さんが『おいしい~!こんなに濃いイチゴは初めて!』と喜んでくれて、美容室でパック詰めを販売することにしたんです。それから毎年楽しみにしてくれていて、うちのイチゴはほぼ美容室のお客さんで売り切れちゃいますね。だから妻が宣伝隊長みたいな存在なんですよ(笑)」。

奥様が経営する美容室「HAiR guufo(グーフォ)」のTシャツの脇には、塚野刺繍さんのハチのピンバッジが。

奥様が経営されている美容室もとっても人気のようで、何十年と通われているリピーターさんが大勢いらっしゃるとのこと。そのお客様たちがイチゴの味に驚き、ファンになり、お店に出すと瞬く間に完売してしまうそうです。

「元々、土耕栽培だからいちごの数もたくさん収穫できないんですよ。私一人でやっていますし、限られた土地で限られた収穫量で、本当においしいものをお客様に届ける。それがうちのスタイルですね」

なかなかお目にかかれないかもしれませんが、ぜひ一度食べてみたいですねぇ。

そしてこのイチゴ栽培が、新たな道を開くきっかけとなりました。

ゼロから切り開いた養蜂家への道

「まずはぜひ、味見をしてみてください」と、取材にご同席いただいた奥様のありがたいお言葉に甘えまして、スプーンひとさじのハチミツをペロリ……。

お花の芳醇な香りがふわ~んと香り立ち、ものすごく濃厚な蜜のコクと甘さが口いっぱいに広がりました。そして喉を通って身体に入ると、とっても濃いエネルギーを感じるんです!これは驚きました。

「うちのハチミツは、100%五泉産で非加熱の天然ハチミツです。ハチたちは巣房に蜜を溜めると自らの羽で風を送って水分を飛ばし、熟成させます。そして糖度80度以上に熟成されると、自らの分泌物“蜜ろう”でふたをするんです。うちは、このふたをした部分のハチミツのみを採蜜していて、そのほかの部分はハチたちに餌としてあげています」と、滝沢さんが写真を見ながら教えてくださいました。

上の白い部分が、熟成しふたがかかっている部分。下がまだ熟成が進んでいない巣房(※ご提供画像)。

でも、そのやり方だとわずかしか採れませんよね?!なんて贅沢で貴重なハチミツなんでしょう!

ところで、そもそもなぜ養蜂を始めることになったのでしょうか?

「イチゴの栽培で、受粉のためにミツバチを飼う必要があったんですよ。すると、ハチたちがかわいくてかわいくてしょうがなくなっちゃって。イチゴのためだけじゃなくて、ちゃんと育てたいと思ったんです。ただなんの知識もなかったので、手当たり次第に本を買ったりカタログを取り寄せたり、使い方がわからないけど道具を買ってみたり(笑)。他の養蜂家さんとのツテもなく、今の時代みたいにネットで検索もできなかったので、ひたすら想像でやってみて、失敗して、またやってみてを繰り返していました。

そのうち、養蜂をやるには届け出が必要なことや、養蜂協会というものがあることも分かって。そこで教えてもらってから、ハチミツがちゃんと採れるようになってきました。形になるまで10年ぐらいかかったでしょうか」

なんと、独学から始まった養蜂家への道。もちろん、この間も米づくりの仕事は全力投球です。四苦八苦しながらも、ミツバチたちへの愛情が絶えることはありませんでした。

滝沢さんの五泉産100%天然ハチミツは、「S.T Bee Factory」というブランド名で、奥様の美容室でのみ販売しています。

ハチの巣箱は、五泉市内にある滝沢家所有の山林内に設置。巣箱を移動しないのでハチたちにとってストレスが少なく、そのことがおいしさにもつながっているのではないかと滝沢さんは言います。

そして、ハチたちが自由に飛び回る中で、季節の花々から採蜜された「百花蜜(ひゃっかみつ)」は、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・酵素などが豊富に含まれていて、とっても栄養価が高いのだとか!こちらもリピーターが多く、一度この味を知ると惚れ込むお客様がたくさんいらっしゃるそうです。(ご紹介してくださった塚野さんも大絶賛されていました!)

おいしさへのこだわりと情熱は全力で。多くは生産できないけれども、固定ファンの方々に届けられる量で。この“ちょうどいいバランス”が滝沢農園らしさなんですね。

EPILOGUE

記憶に残る「おいしさ」を代々受け継いで

イチゴの栽培と養蜂につづき、もう一つ滝沢さんが新たに始めたことがありました。それは、農産物の加工・販売です。

ナス漬け、完熟梅干し、米こうじ味噌。全て自家製、手作りの味です。

「ちょうど6次産業化(※)の推進が始まった頃に興味を持ったのがきっかけです。昔、うちの婆ちゃんがおにぎり屋をやっていたんですよ。今は亡くなって店も閉めてしまったんですが。幸いうちにはレシピもあるし、道具もある。だから、始めることのハードルが低かったんですよね。それに、冬や夏の天候が厳しいときに、室内でできる仕事を生み出せることも魅力的でした」と滝沢さん。

(※6次産業化…生産・加工・流通・販売を通して農林水産物の付加価値を向上させること。)

自家製ナス漬け(※ご提供画像)

滝沢農園の米こうじ味噌やお漬物などの加工品は、五泉市内のスーパー「新鮮市場 ベアーズ」と「ミート&フード せいの」 の2か所で販売しています。季節によって販売していない時もあるそうなので、出会えたらラッキーですね!

「うちの味噌や漬物たちも、おかげさまで好評をいただいていまして。スーパーへ納品しに行って、その次に行ったときに全部売り切れているとうれしいですね。またがんばろう、って思えるんですよ。『滝さんのは、どれを食べてもおいしいね』なんて言ってもらえるのがうれしくて」と笑顔で話す滝沢さん。

お祖母様がされていたおにぎり屋さんも根強いファンが多く、お客様から「おいしい!」と言ってもらうことをやりがいにしていたと言います。お店がなくなってからも、「あのおにぎりをまた食べたい」という声が未だに寄せられるそうです。

滝沢さんの行動力やお客様への思いの強さは、お祖母様譲りなのかもしれませんね。

「商売をしていたら、たくさんのものを作って、たくさんの人に知ってもらいたいと思うのが普通かもしれません。でもうちはその逆なんです。少なくても本当においしいものを作って、今いてくださるお客様が喜んでくれたらいい。そのお客様たちを大事にしていきたいんです。

そして、楽しく続けられる仕事をしたいから、自分ができる範囲で十分。妻とバイクでツーリングをしたり、家族で旅行にでかけたりするのも好きなので、ちゃんとその時間も取りたいですし。でもなんだかんだ毎日忙しいのですが(笑)」

家族やお客様と強い絆で結ばれた滝沢農園は、これからも狭く深く、おいしい笑顔を届けていきます。

滝沢さんの特別なこと、
おいしさへのこだわり、
イチゴ作りや養蜂、加工品のこと
お客様への思い、
たっぷりと教えていただきました!
ごっつぉさまでしたー!!

滝沢さんの#マイごっつぉ

五泉市チューリップまつり

滝沢さんのマイごっつぉは、毎年4月中旬に開催している「五泉市チューリップまつり」の光景です。約150万本ものチューリップが、じゅうたんの様に一面に咲き誇ります。「小学生の頃、授業の一環でチューリップの花摘みをしたことがありました。それは、球根を育てるために咲いたばかりの花を摘む作業なのですが、子どもながらに悲しかったんです。大人になって、チューリップまつりが開催されるようになり、チューリップがきれいに咲き誇る状態で楽しめること、また、品種改良されて色とりどりで香りまで楽しめるようになったことが、とってもうれしくて感動しました。これは一見の価値がありますよ!」と滝沢さん。五泉市民が誇る、春の絶景なんですね。素敵なエピソードをありがとうございました!

五泉市チューリップまつり

滝沢さんのマイごっつぉは、毎年4月中旬に開催している「五泉市チューリップまつり」の光景です。約150万本ものチューリップが、じゅうたんの様に一面に咲き誇ります。「小学生の頃、授業の一環でチューリップの花摘みをしたことがありました。それは、球根を育てるために咲いたばかりの花を摘む作業なのですが、子どもながらに悲しかったんです。大人になって、チューリップまつりが開催されるようになり、チューリップがきれいに咲き誇る状態で楽しめること、また、品種改良されて色とりどりで香りまで楽しめるようになったことが、とってもうれしくて感動しました。これは一見の価値がありますよ!」と滝沢さん。五泉市民が誇る、春の絶景なんですね。素敵なエピソードをありがとうございました!

五泉市チューリップまつり

滝沢さんのマイごっつぉは、毎年4月中旬に開催している「五泉市チューリップまつり」の光景です。約150万本ものチューリップが、じゅうたんの様に一面に咲き誇ります。「小学生の頃、授業の一環でチューリップの花摘みをしたことがありました。それは、球根を育てるために咲いたばかりの花を摘む作業なのですが、子どもながらに悲しかったんです。大人になって、チューリップまつりが開催されるようになり、チューリップがきれいに咲き誇る状態で楽しめること、また、品種改良されて色とりどりで香りまで楽しめるようになったことが、とってもうれしくて感動しました。これは一見の価値がありますよ!」と滝沢さん。五泉市民が誇る、春の絶景なんですね。素敵なエピソードをありがとうございました!

五泉市チューリップまつり

滝沢さんのマイごっつぉは、毎年4月中旬に開催している「五泉市チューリップまつり」の光景です。約150万本ものチューリップが、じゅうたんの様に一面に咲き誇ります。「小学生の頃、授業の一環でチューリップの花摘みをしたことがありました。それは、球根を育てるために咲いたばかりの花を摘む作業なのですが、子どもながらに悲しかったんです。大人になって、チューリップまつりが開催されるようになり、チューリップがきれいに咲き誇る状態で楽しめること、また、品種改良されて色とりどりで香りまで楽しめるようになったことが、とってもうれしくて感動しました。これは一見の価値がありますよ!」と滝沢さん。五泉市民が誇る、春の絶景なんですね。素敵なエピソードをありがとうございました!

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滝沢農園

店名滝沢農園
住所新潟県五泉市船越962
地図
営業時間火・木・土曜8:00~17:00(直売所)
電話番号0250-42-4660
備考【滝沢農園の加工品が買える五泉市内のお店】
●新鮮市場ベアーズ
●ミート&フードせいの
※季節によって販売していない場合があります。
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