「ごっつぉLIFEグルメ」では、各エリアでご登場いただいた皆さんから地元の熱愛グルメをご紹介いただきます。
今回はマスヤ味方店の栗林礼奈さんからご紹介いただいた
新潟市北区にある「フレンチカレーとお菓子の店 Pino(ピノ)」さんです。
私がおすすめします!
川のほとりに佇む小さなお店
栗林さんに教えていただいた「フレンチカレーとお菓子の店 Pino」があるのは、新潟市中心部から車で20分ほどの場所にある新潟市北区の松浜地区。
福島潟を源流とし、日本海へとつながる新井郷川(にいごうがわ)沿いに佇む、一軒の素敵な建物。
こちらがPinoさんです。オープンしたのは2022年の春、フランス語で松ぼっくりを意味する「Pinot」が由来だそう。松浜の松にちなんで、小さな松ぼっくりを大きく成長させていきたいとの想いが込められています。
駐車場はお店の前に小型車が2台と、一軒先の並びに5台の計7台分があります。
店内は、白い壁にグレーのレジカウンター、そして木製家具や観葉植物がおしゃれに配置されていて、スタイリッシュな中にも、ナチュラルであたたかい雰囲気が漂います。
窓からは、悠々と流れる新井郷川を望むことができ、日々の喧騒を忘れさせるような、おだやかな時が流れます。どこを切り取っても、絵になりますねぇ。
さて、メニューのご紹介です。
店名の通り、同店の主役はカレー。「和牛のビーフカレー」「魚介やエビのカレー」「日替わりカレー又はパスタなど1種」の3種類が常時用意されていて、オプションであいがけや大盛りもできちゃいます。その他、サラダ、スープ、デザート、ドリンクなど、カレーに合うサイドメニューも。
メニューを見ていると、一見“カレーがメインのカフェ”のように思いますが、実は想像を遥かに超える、おいしさとの出会いが待ち受けていたのでした。
マスヤ味方店の栗林さんが「ただものじゃない!」とおっしゃっていたように、ただのカレー、だたのサラダではないのです!
素材の旨味を凝縮した、濃厚フレンチカレー
まずはこちら「トロピカルフルーツとヤングコーンの黄色いサラダ(500円)」から。(現在は内容が変わっています。)
黄色い食材をテーマに、パイナップルやパッションフルーツ、ヤングコーンなどを使った初夏を感じる爽やかなサラダです。
パイナップルはハラペーニョとライム、塩で甘さを引き締め、ヤングコーンは強火で焼いた後に、パッションフルーツのドレッシングでマリネ。暑い季節でもさっぱりと味わえるように仕上げられています。
ヤングコーンの旨味、クレソンの苦み、フルーツの甘みと酸味、リコッタチーズの油脂分、きゅうりの食感のアクセント、ミントの爽やかな香り……思わず「すごい!」と目をまるくしました。
一皿の中に、五味のバランスや香り、そして食感というリズムが緻密に設計されていて、まるで物語を描いているかのような完成度に驚きました。「サラダでこのおいしさだったら、カレーはどうなるんだろう」と期待が高まります。
そして、「和牛のビーフカレー(1,400円)」の登場です!
スプーンですくって一口……旨みがすごいいいいいい!!!
想像を超える濃厚な味わいに、驚愕の私。これはなんたる多幸感でしょうか。牛肉は姿がなくなるほどルーに溶け込んでいます。そして、玉ねぎをはじめとする野菜の旨みも全てがこのルーの中へ。辛みは強くありませんが、ちゃんとスパイスも効いています。
同店は、スパイスカレーでも欧風カレーでもない、フレンチカレーのお店。フランス料理の技法と、大量の食材を余すことなく使った贅沢なカレーなのです。ブイヨン、牛の煮込み、カレールウ、野菜ペースト、フルーツペーストと、各パーツごとに丁寧に何時間もかけて仕込まれ、最後に混ぜ合わせて一体に。さらにそれを凝縮させるそうです。
そして、箸休めとなる付け合わせには、季節やカレーに合ったものを添えて。食感や味わいに変化をもたらし、最後まで飽きのこない一皿に仕上がっています。
カレーであることは間違いありませんが、まるでフランス料理の煮込み料理を食べているような、そんな贅沢なおいしさがありました。
自家製ビネガーを使ったラッシーも、季節によって様々な味わいが登場します。取材時は、「トロピカルフルーツのラッシー(単品500円、カレーとセット+300円)」。栗林さんが伺った際は「紫キャベツとブルーベリーのラッシー」だったそうで、こちらも想像を超えるおいしさだったとのこと。
そしてデザートに「プリン(400円)」を。材料や作り方はとてもシンプルですが、だからこそ奥深く、こだわりが詰まっています。
ほどよい弾力、滑らかな舌触り、リキュールの芳醇な香り、ビター且つ華やかさがあるカラメル。いや~おいしかった。心の底から、ごちそうさまでした!
夫婦二人三脚で、期待を超えるおいしさを想造していく
全てにおいて感動と奥深さを感じるPinoさん。どうしてこのようなおいしさが表現できるのでしょうか。
店主の斎藤信秀(さいとうのぶひで)さん、奥様の斎藤春菜(さいとうはるな)さんにお話を伺いました。
同じ調理学校の出身で、お二人とも幼い頃から料理やお菓子作りが好きだったそうです。
学生時代は信秀さんが製菓を、春菜さんは料理を学びました。その後は信秀さんが東京のホテルやフレンチレストランに勤務。春菜さんは新潟で調理師として就職し、その後東京のカフェで経験を積みました。
「ちょうど子供ができた時に、世の中がコロナで変わってしまって。子育てのこともあり、お互いの実家がある新潟で暮らしたいと思い戻ることにしました。2人の中で、いつか自分たちの店を持ちたいという夢があり、新潟県内のレストランで働きながら、準備を進めてきました」と信秀さん。
コンセプトは「Pinoでしか食べられないもの」。メニューの数を絞り、絶対に自信のあるもののみを提供するために、日々試行錯誤をしながら研究をしているそうです。カレーとお菓子、夫婦2人で協力しながら作り上げていきます。
私、ずっと気になっていたのですが、そもそもなぜ“カレー屋さん”にしたのでしょうか?
「敷居が高いお店ではなく、親しみを持ってご来店いただけるお店にしたいとの思いがありました。そして、自分が持っているフレンチの技術と相性がいいなと思ったのがカレーだったんです。カレーって日常的な食べ物ですけど、ホテルで食べるような特別なビーフカレーもあるじゃないですか。近寄りやすいけどちゃんと特別感もある、わざわざ外食をする価値がある、そんなメニューを提供したかったんです」と信秀さんが思いを語ってくださいました。
Pinoのカレーが完成するまでに費やす時間は3日間!
野菜、お肉、魚介、あらゆる素材の旨みを最大限に引き出し、ひたすら凝縮させていきます。
“だし”の存在であるブイヨンは、寸胴鍋の半分ぐらいになるまで10時間も煮込むというから驚きです。
2人の役割分担がきっちりとあるわけではなく、阿吽の呼吸で仕込まれていきます。やはり、プロフェッショナルなお二人の二人三脚があって、あのおいしさにつながっているんですね。
「主人は料理に対してストイックで研究者のような一面もあるんです。常にお客様の期待を上回ろうとして、尖りすぎてしまうことがあるので、私がそれを抑える役割をしています(笑)。夫婦でバランスを取りながら、これからもPinoでしか味わえないおいしさを追求して、進化し続けていきたいです」と春菜さん。
一度食べると忘れられないPinoのカレーたち。ぜひ一度、ご賞味ください!
フレンチカレーとお菓子の店 Pino(ピノ)
店名 | フレンチカレーとお菓子の店 Pino(ピノ) |
---|---|
住所 | 新潟市北区松浜本町1-13-6 |
地図 | |
アクセス | 新潟バイパス濁川ICから車で約5分 |
営業時間 | 11:00〜15:00(14:30 L.O.) ※詳しくはInstagramをご確認ください |
定休日 | 木曜、金曜 |
SNS | Instagram: https://www.instagram.com/pino__matsu/ |
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おすすめポイント
おすすめはビーフカレー、季節のサラダ、ラッシー、デザート……もう全部ですね(笑)
また、店主さんが同世代であることやお店が新潟市の外れにあるところも、うちとの共通点を感じました。近くに用事がなくても、わざわざ足を運びたくなるお店ですね。ぜひ一度味わってみてください!