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佐渡で憧れの離島ライフ 多彩な企画で島を盛り上げる 島薬膳レストラン。

佐渡で憧れの離島ライフ多彩な企画で島を盛り上げる島薬膳レストラン。

さどsado
メレパレカイコ

舘さんご夫妻の自己紹介

舘 恭志(たち やすし)さん【三条市出身】
印刷会社で仕事をしてから広告代理店に転職。ずっと広告関係の仕事でしたが、直近の10年くらいは保険の部署で相談・照会の対応をしていました。ファイナンシャルプランナーの資格も取得して、企業のアウトプットを支援する立場からインプットを支える立場になっていました。あとは、仕事と並行して高校生の時から音楽活動を続けています。2年間、佐渡島内の物件を探し続け、ようやく出合えた虫崎集落の一軒家へ2022(令和4)年4月に移住。同年6月に島薬膳レストラン&イベント・ウエディングスペース「メレパレカイコ」をオープンしました。

池 倫子(いけ ともこ)さん【新潟市出身】
東京でウエディングプランナーとして働いて、29歳の時に新潟市へUターン。30歳で起業してから17年間フリーランスウエディングプランナーです。仕事優先の生活を送る中で島暮らしに憧れるようになり、夫と一緒にいろんな土地を下見してきました。「メレパレカイコ」の営業を軸に、私たちを受け入れてくれた虫崎集落が元気になるような音楽企画、ブライダル企画を提案・開催しています。

トキブルワリーの藤原さん(ごっつぉLIFE佐渡2-1参照)からご紹介を受けて向かったのは、佐渡北部の虫崎(むしざき)という集落で営業する「メレパレカイコ」さん。

(坂道を登って右手に駐車場、左手にお店があります。※舘さんご提供写真)
(駐車場からお店までの景色もきれいでした。)

両津港から海沿いを真っ直ぐ30分ほど北上すると見つけられる、高台に立つレストランです。
「お店からの景色も最高なんだろうな〜」とワクワクしながら向かいました。

島の魅力の一つ。自然の恵で心も体も満たしてくれる

出迎えてくれたのは、新潟市から移住された舘恭志さんと池倫子さんご夫妻。
お店に到着してすぐに温かいお茶をいただきました。

メレパレカイコは島薬膳レストラン。
薬膳料理というと、敷居が高く感じられるかもしれませんが、そんなことはありません!
季節の旬な食材をバランスよく組み合わせて調理された、体の内側から元気になれる料理のことです。

佐渡の大自然で育った山菜や野草をふんだんに取り入れた体が喜ぶ料理とドリンクは、彩り豊かで滋味深いものばかり。
この時いただいたお茶は、メレパレカイコオリジナルブレンドの野草茶。クロモジの清涼感が口いっぱいに広がって気持ちを和ませてくれました。

そして、楽しみにしていたオーシャンビュー!
佐渡島内には海が見えるお店がたくさんありますが、メレパレカイコの店内から臨む景観はまた一味違う良さが感じられます。

「海を眺めながら電線や畑まで見えちゃうのがうちらしい景色。
自然の景観に田舎暮らしも垣間見えますよね?
集落の雰囲気も感じられて、結構気に入っているんです」(倫子さん)

飲食店が何もなかった虫崎集落におふたりがメレパレカイコをオープンしたのは2022(令和4)年6月のこと。
島薬膳料理をコンセプトにしたきっかけは、佐渡特有の食事にあったそうです。

「レストランをやろうと思った時、まず佐渡のものは必ず活かしたいと思いました。
自分たちにできる料理の中で何ができるだろうかと考えた時、地元の人たちは当たり前のように薬膳のある暮らしをしていて。これだ!と思いました。
私たちの料理は変わったものではないけれど、佐渡の新鮮な食材を使って丁寧につくっています」(倫子さん)

(不定期でメインが変わる島薬膳ランチセット。※舘さんご提供写真)

オープン前、倫子さんが頼りにしたのは新潟市で薬膳料理の教室を行う高津もろみさん。
今でも、季節ごとのグランドメニューは高津さんにレシピを提案してもらい、そこにアレンジを加えて完成させているそうです。

「春の山菜が苦いのは、冬の毒素を抜き取るためのデトックスの意味があったり、秋に育つものはこれから冬を迎えるための準備に適したものだったり。
季節と食材は密接な関係があると佐渡に来てから気付きました。
新潟にいた頃はそんなことを考えることもないくらい暴飲暴食していましたよ(笑)。
食材の持つポテンシャルを効果的に取り込めるように、いつも味わいやラインナップを考えています」(恭志さん)

メレパレカイコでは、レストラン営業に加え、お弁当やオードブルの販売も行っています。
お店が混み合っていたらお弁当を購入してお外ごはんを楽しむのも気持ちが良さそうです。

(テイクアウトの薬膳弁当。※舘さんご提供写真)
(野菜たっぷりのオードブルもおいしそう!※舘さんご提供写真)

得意分野を活かして、虫崎を盛り上げる!

今や島内全域で愛される飲食店を営業するおふたりですが、長年過ごした新潟市では全くの異業種でそれぞれ活躍されていました。

倫子さんはもともと結婚式の企画提案、サポートをするウエディングプランナー。
東京で働いた後、30歳で地元新潟市へ戻り、当時は珍しかったフリーランスウエディングプランナーとして起業しました。
個人で働くようになってから17年が経ち、働き方を変えるために選んだのが佐渡での暮らしだったそうです。

(佐渡ではメレパレカイコが唯一の取り扱いとなる、防水仕様のマリンドレス。)

「東京で働いていた時の恩師が、『東京の第一線で活躍するのもいいけど、第一線で学んだことを地元に還元するのも仕事の在り方だよ』と言ってくれたのが新潟で働こうと思ったきっかけです。
仕事中心の生活を送り、15年経ってみると『もっとゆっくり生活を楽しみたい!』という思いが強くなってきて。そこから島暮らしを計画するようになりました。
ブライダルだけをやってきたので、この経験は絶対に活かそうと考えていました」(倫子さん)

(これから本格的に始動していくアウトドアウエディングのイメージ。※舘さんご提供写真)

メレパレカイコをオープンする半年前の2022(令和4)年1月に「佐渡ビジネスコンテスト2022」に参加し、課題解決型ビジネスモデル部門で入賞。
その時に提案した企画が、少しずつ形となってきたブライダル事業です。

「メレパレカイコでは、飲食店の営業をベースに婚礼・婚活イベントを展開しています。
特に今、力を入れているのは婚活。
2023(令和5)年春からは佐渡島内で暮らす皆さんのご協力をいただきながら、婚活イベントをスタートしました」(倫子さん)

(2023年4月に開催されたキックオフ企画「限界集落の嫁と姑」のフライヤー。※舘さんご提供データ)

「島外から婚活のプロを呼ぶのではなく、リアルな佐渡の暮らしを知っている島民の皆さんに登壇いただこうと計画しています。
佐渡の生活ってこうだよと伝えながら、佐渡に移住して結婚した時の実情が分かったら、佐渡で暮らしたくなる人も増えるのではと思ったからです。
島内外、年齢も人数も関係なく、誰でも参加OK!
この企画が付き合うきっかけ、結婚のきっかけになったらうれしいです」(倫子さん)

ハワイ語で「音楽と楽園」を意味するメレパレカイコには、「みんなが癒やされる交流の拠点にしたい」という思いが込められています。
ちなみに、店名の由来にもなっている「メレ=音楽」は、恭志さんの音楽経験が反映されたものでした。

仕事と並行して高校時代から音楽活動を続けてきた恭志さん。
佐渡に移住してからも、ライブを開催して島を盛り上げてきました。
40年を超える音楽経験の中では、作曲、ライブ、CDリリースも経験されていて、根強いファンもいるボーカル&ギタリストです!

(オープニングイベントで行われたライブの様子。※舘さんご提供写真)

「佐渡に来てからも、メレパレカイコオープニングイベントと、自分が還暦を迎えた時期に還暦ライブをやらせていただきました。
ブライダルだけでなく音楽イベントも形にできるのがメレパレカイコの強みです」(恭志さん)

佐渡に引き寄せられ、虫崎に呼ばれたふたり

インタビュー当日、テンポ良く会話するおふたりを目の前に、ごっつぉLIFE編集部は笑いっぱなしでした(笑)。
特におもしろかったのが、おふたりが佐渡での暮らしを選んだ理由。

島暮らしに憧れていたとはいえ、なぜ佐渡を移住先に選んだのか聞いてみると…

「俺がもうじき高齢者になってしまうんで、まず総合病院のある場所が大前提。
診療所だけだと、何かあった時にドクターヘリを飛ばさなきゃいけなくなりますからね。
これから酔ってばかりの暮らしになるだろうと考えたら必須でした(笑)。
佐渡のきれいなロケーションや都会的なエリアもあって仕事がしやすいところも決め手です」(恭志さん)

確かに、頻繁にドクターヘリを飛ばすのはちょっと気が引けますね(笑)。

「最初は夫の定年退職を待って移住しようと思っていました。
でも、新型コロナが流行り始めて、私たちが子どもの頃からよく知っている志村けんさんが亡くなって…。
やろうと思ったことはすぐに実行しようと思い、移住計画を早めることにしたんです」(倫子さん)

「ドリフで育った世代としては衝撃的でしたから」(恭志さん)

すごく気持ちは分かるけれど、まさかの移住理由(笑)。

「でも、なかなかいい物件が見つからなくて大変でした。
ようやく見つけた島内の物件を契約するためにフェリーで両津に向かっていたら、契約破棄の連絡がきて。
友達とヤケ酒をしている時にたまたま『そういえば、最近売りに出た物件があるよ』と紹介されたのがここ虫崎でした。
2年間探し回っていても出合えなかった理想の物件が、突然出てきて。
虫崎が呼んでくれたんだと感じています」(倫子さん)

嘘のような本当の話。
ドラマチックなおふたりの移住ストーリーは、ぜひメレパレカイコで聞いて欲しい…!

佐渡暮らしで得た、人生で役立つ生きる知恵

ごく普通の生活を送っていれば、米や野菜、魚も、スーパーに行って購入するのが当たり前の現代。
もちろん、佐渡にもスーパーはありますし、全ての島民が農作業や漁業をしているわけではありませんが、虫崎集落で暮らすおふたりは移住1年目でさまざまな食材がとれるまでの過程を体験してきました。

(集落仲間に連れられて体験した船釣り。キジハタを釣り上げた倫子さん。※舘さんご提供写真)
(民話「鬼の田植え」から着想を得て鬼にふんして田植えを体験。※舘さんご提供写真)

「佐渡で田植えや畑作業、釣りまで経験させてもらって、こういうサイクルで食材って育つんだ、だからこういう祭りがあるんだ、と気付かされました。
そして、何よりも佐渡の人たちは普通の生活がすてきなんです。
どのお宅にお邪魔しても、そこには暮らしの工夫があります。
島ではいつ物資が止まるか分かりませんから、常に備蓄を備えていて、食べ物を無駄なくしっかりと味わい尽くす。生きるための知恵が詰まっています」(倫子さん)

佐渡・虫崎集落はパワーがみなぎっている!

初めての島暮らしで得た一番の感動は、「人の温かさ」と恭志さんと倫子さん。
どんな悩みや不安も、集落で共に暮らすお母さんの「気にすることないっちゃ!」の一言で救われると言います。

(集落のお母さんがおすそわけしてくれた大きなおはぎ。)

「どんな時も虫崎の人たちは全力で私たちを応援してくれます。
毎日のように話して、一緒にお酒を飲んで。こんなにおもしろくて魅力あふれる集落は、他にはないんじゃないかなと思うくらい、虫崎に来て良かったと感じています。
私たちのように、『虫崎の人に会ってみたい、遊びに行ってみたい』と思える人を増やせるように、これからもメレパレカイコを営業していきたいです」(倫子さん)

(佐和田で開催された「無限界集落」イベント。※舘さんご提供写真)
(「無限界集落」の会場は世代を問わず多くの人で賑わいました。※舘さんご提供写真)

2022(令和4)年夏には、虫崎集落を限界集落の対義語として「無限界集落」と謳い、佐和田にある河原田本町会館を借りて食堂や炊き出しが行われました。

恭志さんは無限界集落のオリジナルソングを披露し、集落の人たちが合いの手を入れる。
イベントのような楽しい機会だけでなく、停電などピンチの時にも、虫崎集落の人々は抜群のチームワークで島中に幸福感を倍増させます。

こんなすてきな話を聞いてしまったら、虫崎の人たちに会ってみたくなっちゃいますよね(笑)。

メレパレカイコの近くには、「農家民宿 長助」もありますし、海岸線を車で北上すると、海の透明度はモルディブ並みと言われる弁天ビーチや、二ツ亀、大野亀など、佐渡の観光名所にも立ち寄れます。

佐渡に来たら、海が目の前に広がるメレパレカイコで島の人々との交流を楽しみましょう!

 お店の情報 
メレパレカイコ
佐渡市虫崎213
電話番号:0259-26-2856
営業時間:11:00〜15:00
定休日:月・火曜
Twitter:https://twitter.com/merepalekaiko
Instagram:https://www.instagram.com/merepalekaiko/

 参考情報 
・髙津薬膳教室 – レシピ開発に協力されている高津もろみさんの料理教室
 Instagram:https://www.instagram.com/takatsuyakuzen/

舘さんご夫妻の特別なこと
パワフルな佐渡の人々の魅力、
島暮らしのおもしろさ。
お腹いっぱいいただきました!
ごっつぉさまでしたー!!

舘 恭志さんと
池 倫子さんの#マイごっつぉ

メレパレカイコを営業する舘恭志さんの特別なこと「マイごっつぉ」1つ目は、自宅で飼っている3匹のかわいい猫たち。「この子たちのために、お父ちゃんは頑張っているよ!」と舘さん(笑)。おぼろ豆腐のように白くてふわふわな猫(写真下)がおぼろ、写真上段右はヒジキ。上段左はツナ。たまにInstagramでも3匹の近況がUPされているのでチェックしましょう!

メレパレカイコを営業する舘恭志さんの特別なこと「マイごっつぉ」2つ目は、虫崎集落で毎夜のように行われている宴。「かつて限界集落と呼ばれた虫崎だが、ノリの良さは天下一品。呑んで笑えば、何かが生まれる!」と舘さん。写真からも賑やかな様子が伝わってきます…(笑)。佐渡に住んでいようと、島外に住んでいようと、最高のおもてなしで出迎えてくれる虫崎の人たちに会いに行きたくなる1枚です。

虫崎の仲間

メレパレカイコを営業する池倫子さんの特別なこと「マイごっつぉ」1つ目は、虫崎の仲間。「虫崎に来てから悩む機会が減りました。いろいろあっても、このみんなで集まれば元気になれる!佐渡での一番の宝物です」と倫子さん。人口わずか25人の集落で一緒に暮らす大切な仲間たちとの写真。ここでは1枚しか載せられませんが、もはや整理しきれないくらい、写真&動画が大量にあるそうです(笑)。

メレパレカイコでの時間

メレパレカイコを営業する池倫子さんの特別なこと「マイごっつぉ」2つ目は、メレパレカイコでの時間。一通り作業が終わると海を眺めながらゆっくり休憩するのが倫子さんのルーティン。夕焼けに染まる空と海がとてもきれいです。「仕事終わりにホッとして飲むお酒は至福の時間。自分たちの店に居ながら、自分たちもお客さんとして店が好き」と教えてくれました。

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