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カフェ&バーに フィンランド式の蔵サウナ 長期滞在したいゲストハウス。

カフェ&バーにフィンランド式の蔵サウナ長期滞在したいゲストハウス。

さどsado
HOSTEL perch

伊藤 渉 (いとう わたる)さんの自己紹介

高校卒業後に3年間東京の寿司店で経験を積み、2003(平成15)年、実家の飲食店がリニューアルするタイミングで佐渡に帰ってきました。15年ほど家族と店をやってきましたが、実家の飲食店は2人の兄に任せる形で独立を決意。佐渡への観光客誘致に力を入れたいと思い、ゲストハウスの経営を始めました。築100年の古旅館を買い、フルリノベーションして2018(平成30)年に「HOSTEL perch(ホステルパーチ)」をオープン。最初はドミトリー(相部屋スタイルの宿泊施設)とカフェ&バーのみの営業でしたが、リノベーションを続け、蔵サウナ、コワーキングスペース、小さなホテル「ハナレ」も設けました。島内外から人が集まる交流拠点にしていきたいです。

トキブルワリーの藤原さん(ごっつぉLIFE佐渡2-1参照)からご紹介を受けて向かったのは、河原田諏訪町にあるゲストハウス「HOSTEL perch(以下、パーチ)」さん。

単なる宿泊施設ではなく、蔵サウナにカフェ&バー、コワーキングスペースの要素まで兼ね備えたハイブリッドな施設とは、一体どのようなものなのか…!?

オーナーの伊藤さんに館内をご案内いただきました。

昭和レトロな雰囲気に“今どき”がそろう複合施設

(鳥が描かれたかわいい看板が目印です!)

両津港方面から河原田商店街を抜けると見つけられるパーチの入り口。
佐和田海水浴場が目と鼻の先です。

到着するとすぐにオーナーの伊藤さんがいらっしゃいました。
もともと、築100年近い旅館だった建物を買い取り、ゼロからリノベーションしてつくられた施設。
本館と呼ばれるメインの建物に入ると、至るところで旅館だった頃の面影が感じられます。

ちなみに、伊藤さんが立っている「佐渡みやげ」と書かれた場所は「Instagramの画角にちょうどいい!」と人気の撮影スポットなんだそうです。

(「佐渡みやげ」の文字がなんともエモーショナル!)

「改装はプロの業者さんに頼みましたが、設計はあえて自分でやりました。
この施設は、来てくれたお客さんにどこで、どんな風に楽しんでほしいかを考えながら完成したものです」

本館に入ってすぐにあるカフェ&バーには、クラフトビール、クラフトジン、シングルオリジンコーヒーなど、気になるドリンクがたくさん!

(3つのビアタップから樽生のクラフトビールを注文できます。)

コーヒーは東京・神保町で営業するグリッチコーヒーが自家焙煎したシングルオリジン豆のスペシャルティコーヒー。
クラフトビールは県内外から伊藤さん一押しのものを、その時々でラインナップを変更して提供しています。

訪れるたび違うクラフトビールが味わえるなんて…お酒好きにはたまらない!!(笑)。

(誰でも気軽に購入できる缶のクラフトビールも種類豊富。)

お酒を飲んだ後はそのまま泊まれるのもパーチのいいところです。

ゲストルームは、ドミトリー6ベッドに加え、団体客に好評のツイン3部屋、トリプル1部屋。さらに、本館から3分ほどの場所にはホテル形式の「ハナレ」もあります。

(連泊して使う人が多いドミトリー。)

「島外のお客さんが気軽に利用できるように」との思いから設けられたドミトリーの利用者は、フランス、アメリカを中心に海外からの観光客も多数。

(宿泊率No.1は、居心地のいいツインルーム。子どもと一緒ならこっちのお部屋が良さそう!※伊藤さんご提供写真)

ハナレまではお寺や鐘楼のある、情緒あふれる小路を進みます。
おしゃべりをしながら歩いているとあっという間に到着しました。

(全3部屋ある小さなホテル・ハナレ。)
(ハナレの一室。ドミトリーとは一味違うモダンな空間です。※伊藤さんご提供写真)
(ハナレ宿泊者専用のサウナ。※伊藤さんご提供写真)

「パーチをオープンした直後に感染症のパンデミックが起きて、先が見通せず不安な時期もありました。
それでも、2020(令和2)年には海外に行っていた日本人の客層が国内の知らない地にサウナを求めてきてくれるようになり、2021(令和3)年の夏過ぎには海外からのお客さんも佐渡に戻ってきてくれるようになりました。
もともとインバウンド需要を狙っていたので、望んでいた客層がようやくマッチしてきたところ。
まだまだこれからが勝負だと思っています」

ワーキング・ホリデーのために佐渡に来ている海外客が数カ月ドミトリーで連泊することもパーチでは日常の風景。

佐渡にいながら海外の人たちとの交流を気軽に楽しめるなんて…!
おもしろい化学反応が起きる予感しかしません…!!

全国から“サウナー”が訪れる蔵サウナ

オープン当初はドミトリー(相部屋の宿泊施設)とカフェ&バーのみの営業でしたが、少しずつ改装を続け、コワーキングスペースや蔵サウナの営業も後からスタートしました。

「やりたいことがあったらとにかく周囲に言いまくるようにしています。
やりたいことを口に出していると、『いい人紹介するよ!』とどんどん実現につながっていくことに気が付きました。
たくさんの人の支えがあったから、パーチをオープンできたし、今があります」と伊藤さん。

その感覚を特に強く感じたのが蔵サウナだったと言います。

(入る前からワクワクしてしまう雰囲気の蔵サウナ。※伊藤さんご提供写真)

「サウナの知識はなかったのでリノベーション当初はコンサルタントの方に依頼をしていたのですが、なかなか来てもらえなくて。
それだったら新潟のサウナ好きを呼んでやってみようと思い、県内各地にいるサウナーを呼んで、アドバイスをいただきました」

さらに詳しく聞いてみると、新潟発のサウナブランド「ABiL(アビル)」のメンバーや、古民家を改装したサウナが人気の「SHIIYA VILLAGE(シイヤビレッジ/柏崎市)」など、専門誌にも度々取り上げられる話題のサウナーたちが集結して完成したというのですから、それだけで興味津々。

伊藤さんの周囲を巻き込む力もすごい…!

(島内外から利用客が訪れる蔵サウナ。※伊藤さんご提供写真)

完成したのは、薪ストーブを使ったフィンランド式サウナ。
サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させ、湿度を高めるロウリュが楽しめる本格派です。
最高120℃オーバーにまで上がるそうですが、他の施設ではなかなか体験できない高温!

「宿泊のお客さんから『温泉に入りたい』と言われることが多かったので、せっかくつくるなら簡易的なシャワールームだけでなくサウナをつくろうと思ったのがきっかけでした。
まだサウナ文化が浸透していない佐渡で、どこよりも高温の珍しいサウナができたらおもしろいだろうなと思ったんです。
サウナに入る前に歯を磨いて、しっかり体を洗っておくと最高に整いますよ」と、整うためのポイントまで教えてくれました。

最高の整いに欠かせないものといえば、水風呂もしかり。

パーチでは佐渡名物・たらい舟の水風呂が楽しめます。
江戸時代建造の蔵を改装した趣のある雰囲気のなかでストロング系サウナとたらい舟の水風呂。
これは間違いなく、佐渡に行きたくなる!!

(佐渡に来たらきっと入りたくなる、たらい舟の水風呂。)

サウナは島外だけでなく、島内の人たちにも大人気。
平日19時台が特に好評で、仕事帰りやサークル活動終わりに訪れる地元の人が多いのだとか。
訪れる前に事前予約をしておけると安心です。

佐渡に行きたくなるきっかけをパーチがつくる

今では蔵サウナだけでも年間2000人以上が利用する人気施設となったパーチ。
ごっつぉLIFE編集部が取材に訪れた日も、平日にも関わらず予約のお客さんと飛び入り参加のお客さんで午後の枠が埋まっていました。

飲んで、泊まって、整える。
思い思いの過ごし方ができる魅力的な施設を、伊藤さんはなぜ佐渡でつくろうと思ったのでしょうか…?

高校を卒業してからは東京都内の寿司店で働いていた伊藤さん。
ご実家の飲食店が規模を拡大するタイミングで佐渡に戻り、15年ほど兄弟と共に店を切り盛りしてきました。
佐渡で働きながら感じていたのは、徐々に衰退していく商店街、人口減少が止まらない佐渡島内への危機感。
「何とかしたい」という思いが、原動力になったそうです。

「島外の人が佐渡に行ってみたくなるような“観光起爆剤”が必要だと思いました。
観光誘致につながる事業を始めるなら“ゲストハウス”だなと思いついたことからパーチの計画が始まりました。
人と人とのつながりをつくる場が佐渡には必要だと感じていたからです」

小さな頃から過ごしてきた佐渡には、思い出も、世界に誇れる食、酒、景観もあります。
佐渡出身の伊藤さんらしい発想と研ぎ澄まされたセンスが、パーチには込められていました。

伊藤さんの熱い想いは、観光業で街を盛り上げることだけに止まりません。

蔵サウナに行く途中、たくさん薪が積まれた薪小屋の前で足を止め、伊藤さんが構想している“廃材を活用したエネルギー自給”について教えてくれました。

(蔵サウナの横に積まれた大量の薪。佐渡の廃材を活用しているそうです。)

「今はまだストーブに使用するのがメインの薪ですが、今後は給湯とサウナの熱源に活用してエネルギー源も自給していくのが目標です。
サウナの水風呂も今後は井戸を掘って井戸水に切り替えていきます。
自然豊かな佐渡だからこそ、環境に配慮した働き方を確立していきたいです」

佐渡の新しい魅力をつくりながら、佐渡の自然環境に貢献する働き方を進める伊藤さん。
「今度はどんな新しいことを始めるんだろう!?」と期待が高まります。

都会と遜色ない設備でマルチなニーズにも対応

蔵サウナやゲストハウスだけでも十分に好奇心をくすぐられますが、パーチのおもしろさはまだまだあります。

おいしいビールとサウナを楽しみたいけど、仕事もしなきゃ…という方は、
本館2階のコワーキングスペースへ行ってみてください。

(宿泊者以外の利用もOK!佐渡でワーケーションを楽しむのに丁度良さそう。)

宿泊していなくても一日900円で利用できる優しいコワーキングスペース。
下に降りればおいしいコーヒー、クラフトビールも飲めるなんて…誘惑に負けちゃいそう(笑)。

本館1Fには宿泊者なら自由に利用できる共用スペースもあります。
島内で購入した食材で料理を楽しむもよし。旅先で出会った人と一緒に食事をするのもよし。
フリースタイルで島時間を過ごすのもおもしろそうです。

長期滞在で佐渡を満喫してほしい

観光拠点としても便利なパーチ周辺には、コンビニ、ATMも近くにあります。
徒歩圏内に飲食店も充実していて、モーニング営業をしているお店もあるので食事にも困りません。
どんな時も伊藤さんが全力で助けてくれる安心感も心強い…!

「パーチのある佐和田地区は佐渡の真ん中なので、上にも下にも、両津や相川にも移動しやすいのがメリット。
佐渡は一泊では楽しみ尽くせないくらい、見どころ、おもしろい体験、おいしいものがあります。
2泊3日、3泊4日と連泊しながら島内全域を回ってみてください」

現在、バリアフリーで泊まれる部屋の新設計画も進行中とのこと。
どんな人でも利用できる設備、佐渡の自然環境に寄り添った営業スタイル…
伊藤さんが考える持続可能な観光が今後どのような展開を見せるのか、大注目です!

最後に、私、ごっつぉライターが印象的だったものをご紹介します。

ドミトリーに飾られていた地元ダイバーの方による深海の写真と、各所で発見したルームサイン。
ルームサインのイラストは、佐渡を拠点に活躍されているイラストレーターのおがわあつこさんによるもの。

館内を散策していると、いろんなものから伊藤さんの佐渡愛を感じられます。
歴史ある建物なので、それぞれの空間も見応え抜群!

日々の喧騒を忘れて癒やされる、温かいおもてなしの心を随所に感じられるはずです。

 お店の情報 
HOSTEL perch
佐渡市河原田諏訪町4
TEL:0259-58-7311
公式サイト:https://www.s-perch.com
Instagram:https://www.instagram.com/perch.sado/

■ホステル&ホテル
チェックイン:16:00〜22:00/チェックアウト10:00
料金:一泊4,000円〜

■カフェ&バー
営業時間:16:00〜23:00(LO22:30)

■蔵サウナ
営業時間:①15:00〜16:30/② 17:00〜18:30/③ 19:00〜20:30/④ 21:00〜22:30
※ タイムテーブルにはない時間帯でも貸し切りで利用可能
定休日:火・水曜
料金:1人利用(1.5時間)900円、貸切利用(1.5時間)10,000円
レンタルアイテム:タオル(大)300円、(小)100円、水着300円、セット(タオル&水着)500円

■コワーキングスペース
営業時間:10:00〜21:00
料金:ドロップイン(1日1人あたり)900円、貸切利用 (1時間当たり)10,000円※宿泊の方は無料

 参考情報 
・ABiL – 新潟発のアウトドアサウナブランド
 HP:https://abil.shop
・SHIIYA VILLAGE – 柏崎市椎谷にあるサウナ施設
 HP:https://shiiyavillage.com

伊藤さんの特別なこと
また来たくなる魅力たっぷりの
ゲストハウス。
とても居心地が良かったです。
お腹いっぱい頂きました!
ごっつぉさまでしたー!!

伊藤さんの#マイごっつぉ

佐渡の海

幼少期から佐渡の美しい海が身近にある環境で育ったホステルパーチの伊藤さん。高校生の頃はサーフィンをするため、毎日のように海へ繰り出していたようです。「佐渡の特別なことといったら、やっぱり海のきれいさじゃないでしょうか。プロダイバーに言わせても、水深30mほどまで視界が開ける、本州の中で一番きれいな海だと言われていて。自然環境の良さは県外に誇れるところだと思います」と伊藤さん。館内にはプロダイバーの方々が撮影した幻想的な海の写真が飾られていて、ギャラリーのような楽しみ方ができるのもパーチの魅力です。「パーチは海岸が近いので、たまにぼーっとしに行きます。ビール片手にのんびり過ごすのが気持ちいいんです」

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