こんにちは!新潟地域魅力発信強化プロジェクト(通称:Niigata Roots プロジェクト)チーム「NO WASH NO LIFE」です。

▶「Niigata Roots プロジェクト」とは
新潟地域にルーツを持つ新潟地域振興局職員(新潟県で暮らし、新潟地域の仕事に携わっている様々な分野の職員)の私たちが、等身大の目線や感性で新潟地域の魅力を発信するプロジェクトです。
今年度は2チームで活動し、ウェブサイト「ごっつぉLIFE」や新潟地域振興局のSNSに記事を掲載します。
参考:【新潟】新潟地域魅力発信強化プロジェクト(通称:Niigata Roots プロジェクト)のご紹介(新潟県ホームページ)
今回は、「地域で愛される味を、もう一度。小さな道の駅で出会う「三川とうふ」(道の駅みかわ/水ト川ノとうふや 新潟県阿賀町)をご紹介します。

今回訪れたのは、阿賀町岩谷、国道49号沿いにある「道の駅みかわ」。阿賀町の特産品を扱う売店やカフェスペースを備えた、こぢんまりとした道の駅です。

実はこの道の駅、一度は休業となった時期がありました。そこに新たな駅長として加わり、リニューアルを手がけたのが石川美雪さんです。
現在の道の駅みかわの大きな特徴のひとつが、隣接する豆腐工場で作られている「三川とうふ」。


阿賀町の湧き水と新潟県内産の大豆を使い、週2~3回、1回あたり117丁~多い時は270丁ほど作られています。今後製造日が増える可能性があるそうですよ。
今回は、そんな「三川とうふ」が生まれた背景や、道の駅に込められた石川さんの思いを伺いました。
三川で作られた豆腐は「三川とうふ」と呼ばれ、以前から地域の名産品として親しまれてきました。
その歴史はおよそ40年前にさかのぼります。地元の組合の皆さんが、阿賀町の湧き水であり新潟県の名水「薬師清水」を使った豆腐づくりを始めました。

(年間を通して約14℃に保たれる「薬師清水」)
ところが、新型コロナウイルスの影響や後継者不足などから、豆腐づくりを続けることが難しい状況に。そこで声がかかったのが、現在の駅長である石川さんでした。
石川さんは新潟市出身で、現在も新潟市在住。阿賀町には祖父母が住んでいたため、子どもの頃からよく遊びに来ていたそうです。

(道の駅みかわから見える阿賀町の景色)
とはいえ、石川さんはそれまで豆腐を作った経験があったわけではなく、豆腐に特別な思い入れもなかったといいます。
それでも声をかけられたときに思ったのは、「面白そう!」ということ。
その一言から、石川さんの豆腐づくりへの挑戦が始まりました。
経験のないところからのスタートだったため、石川さんは2か月にわたって毎朝阿賀町へ通い、地元の人から豆腐づくりを教わりました。
豆腐づくりは、単純にレシピどおりに作れば同じものができるわけではありません。
その日の豆の状態によっても仕上がりが変わるなど、感覚に頼る部分も多く、技術を身につけるまでには苦労したそうです。
昔からの製法を受け継ぎ、水は昔と変わらず名水「薬師清水」を使っていますが、水の分量は自分たちなりの工夫を加えたそうです。試行錯誤の末に生まれたのが、現在の「三川とうふ」です。


(現在は石川さんと石川さんの仲間、そして地元の方たちからなる生産組合で豆腐を製造しています)
「三川とうふ」の面白いところは、毎日まったく同じ味になるとは限らないこと。その日の豆のコンディションによって、豆腐の味わいも少しずつ変わります。

だからこそ石川さんは、「今日の一丁」を楽しんでほしいと話します。一丁一丁違うことを、欠点ではなく、むしろ楽しさとして届けたい。そう考えると、いつ訪れても少し違った味に出会えることも、「三川とうふ」の魅力のひとつに思えてきます。

(左から、「絹ごしとうふ」、「青豆とうふ」、「木綿とうふ」。)
おすすめの食べ方を聞いてみると、まずは「『絹ごしとうふ』を何もつけずに」。大豆の味がふわっと感じられるそうです。その後は、しょうがと醤油を合わせるのもおすすめとのこと。枝豆のような風味が楽しめる「青豆とうふ」も人気の商品です。
そして、ぜひ味わってほしいのが「生揚げとうふ」。「木綿とうふ」をそのまま揚げたもので、外はカリッと、中はじゅわっとした食感が楽しめます。道の駅みかわでは「木綿とうふ」を使用していますが、新潟駅前の居酒屋「奥阿賀の郷 山姥」では「三川とうふ」の「絹ごしとうふ」を素揚げしたものが提供されています。味わいの違いを楽しみながら、ぜひそれぞれ食べ比べてみてください。
豆腐そのものの味を楽しむのはもちろん、食べ方によっても違った魅力を発見できそうです。
石川さんが考える道の駅みかわの特徴は、「道の駅、阿賀町の特産品を扱う売店、カフェスペースが、この小さなスペースにぎゅっと詰まっていること」。


実際に店内を見てみると、コンパクトな空間の中に、阿賀町のものだけでなく、石川さん自身の目線で「好き」と感じた新潟県内の商品が並んでいます。地元の方が作った作品や麻バッグなども販売されています。


さらに、店内で使われているコーヒーカップにもこだわりが。


地元の窯元「光越窯」で作られた器を使っており、「一つとして同じものがない」というところが、「今日の一丁」という豆腐づくりの考え方にもどこか通じているように感じます。
道の駅みかわには、豆腐や特産品を販売するだけでなく、カフェスペースもあります。



その背景には、石川さん自身の「こんな場所があったらいいな」という思いがありました。
阿賀町には食堂はたくさんありますが、ちょっと軽食を食べたり、コーヒーを飲みながらひと息ついたりできるような場所はあまりありませんでした。
そこで、もともとコーヒー好きだった石川さん一家は、焙煎コーヒーを楽しめるカフェを作ることに。
四季折々の景色を眺めながら、町の人が気軽に立ち寄れる憩いの場にしたい。そんな思いから生まれたカフェです。

リノベーションの際には、以前からあった大きな窓をそのまま残しました。窓の向こうに広がる景色を楽しみながら、コーヒーを片手にゆっくり過ごせる空間になっています。
カフェではコーヒーの提供だけでなく、焙煎したさまざまな種類の豆も販売しています。

地元の方がたくさん買っていくこともあるそうで、すでに地域の人たちの暮らしの中に少しずつ馴染んでいることがうかがえます。
そして、これからは豆腐を使ったカフェメニューも考えているそう。とうふシェイクや豆乳ドリアなど、「三川とうふ」をもっと身近に楽しめるメニューが登場する予定です。
一度は途絶えかけた、地域に受け継がれてきた豆腐づくり。

それを「面白そう!」という気持ちから引き継ぎ、地元の人から技術を学び、昔からの製法を守りながら自分なりの工夫を加えてきた石川さん。
「今日の一丁」という言葉からも、昔から続いてきたものをそのまま残すだけではなく、今の時代に合わせながら新しい魅力を作っていこうとする姿勢が伝わってきます。
道の駅みかわは、決して大きな道の駅ではありません。
けれど、その小さな空間には、地域に受け継がれてきた豆腐、阿賀町の湧き水、地元の人たちが作るもの、石川さんが選んだ新潟県内のもの、そして、気軽にコーヒーを飲みながら過ごせるような安らぎの空間がぎゅっと詰まっています。
国道49号を通る際には、ぜひ少しだけ寄り道を。コーヒーを片手に、窓の外の阿賀町の景色を眺めてみる・・・。阿賀町を旅する途中、道の駅みかわでそんなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
| 道の駅みかわ/水ト川ノとうふや Instagram: https://www.instagram.com/mizutokawano_tofuya/ 営業時間:売店/10~15時 café/11~14時(14時以降はドリンクテイクアウトのみ) 定休日:月曜日(祝日の場合は変動あり) ※その他不定休あり、Instagramにてお知らせ 住所:新潟県東蒲原郡阿賀町岩谷2865 TEL:0254-99-3779 |