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ごっつぉライターの取材こぼれ話【さど編】

こんにちは!ごっつぉLIFE編集部です。

すてきな人や場所、ものとの出会いやご縁があると、心がワクワクしたり、自分も頑張ろうと思えたり、「あぁいいひとときだったなぁ」なんて振り返ってしまうもの。
思い出に浸る時間もまた楽しいものですよね。

これまでの取材を振り返る「ごっつぉライターのこぼれ話」では、取材のこぼれ話から、登場いただいた方々に聞いた地域のお話、ライターが感じたことなど、つれづれなるままにご紹介しちゃいます。

今回の佐渡シリーズは、「つなげる人」「つながる人」の3人全員が両津地域で活動中の方々でした。早速、佐渡市のお食事処 満るかの加賀さん母娘から始まったご縁を振り返ってみましょう。

1人目:「お食事処 満るか」の加賀 米子さん・実穂さん

「お食事処 満(ま)るか」を営むのは、昭和20年代に創業した老舗旅館「まるか旅館」の3代目・加賀米子(かが よねこ)さんと娘の実穂(みほ)さん。今年1月、旅館業と並行して飲食店をオープンした加賀さん母娘への取材では、お二人が生まれ育った両津への思いの強さが、ひしひしと伝わってきました。

特に印象的だったのが、実穂さんが幼かった頃の両津の風景です。
「商店街全体がお祭りのようににぎわっていて、浴衣姿のお客様たちが下駄の音を響かせながら歩いていたのを覚えています」と話していた実穂さん。楽しい記憶が残る街だからこそ元気を取り戻したい!という気持ちが、「お食事処 満るか」のオープンにつながったのだと実感しました。

取材ではお店の展開について、いろいろなアイデアが飛び交いましたが、お二人のことですから、何かしら実現するのでは……!?と期待しております!

加賀さん母娘のおすすめグルメ「椿屋陶芸館 椿茶屋」

加賀さんから「お蕎麦がおいしい」とご紹介いただいたのが「椿屋陶芸館 椿茶屋(つばきやとうげいかん つばきちゃや)」。こちらは、佐渡の焼き物「無名異焼(むみょういやき)」を展示・販売する陶芸館に併設されたお食事処です。

こちらのお蕎麦の特徴は、なんと蕎麦に椿油が練り込まれていること!この椿油は店長の佐々木恵里紗さんのお母様が15年かけて完成させたもので、「椿オイルSADO」として商品化もされています。

椿油が練り込まれたお蕎麦、一体どんな味!?と思うかもしれませんが、椿油の香りなどはなく、つるりとした喉越し、程よい弾力が感じられました。

佐渡産の蕎麦粉を石臼で丁寧に挽き、自家製の椿オイルを練り込んだ「自家製蕎麦」、シャキシャキとした「ながも」(佐渡で採れる海藻・アカモクの地域名)の食感が楽しめる「ながも蕎麦」、店長の佐々木さんのお母様が営む「御宿花の木」で提供している「花の木蕎麦」などなど、どれもおいしくいただきました!

2人目:「KUJIRA WALL」の阿部 耕介さん

お一人目の「つながる人」は、佐渡初のボルダリングジム「KUJIRA WALL(クジラウォール)」を開いた阿部耕介(あべ こうすけ)さん。阿部さんのちょっとした思い込みから始まり、30年以上続いているクライミング人生、築80年の空き家を購入してボルダリングジムを立ち上げた行動力など、阿部さん独自の世界観に圧倒されっぱなしでした。

「半径30mくらいしか変えられない。でも一人一人が30mという領域を持っていれば、やがて伝播して幸せも広がっていく」という言葉の中に、阿部さん自身ができることに対して、誠実に向き合う姿勢が表れていますよね。阿部さんが目指す「佐渡 クライミングの父」の銅像。完成した暁には、また取材に伺わねば!と考えております。

3人目:「中澤仲助商店」の中澤 裕史さん・加奈さん

最後にご紹介いただいたのは、創業100年を超える「中澤仲助商店(なかざわなかすけしょうてん)」の4代目・裕史(ひろふみ)さんと妻の加奈(かな)さんです。「中澤仲助商店」の店内には、佐渡で獲れた魚を使った干物などが、ずらりと並んでいました。

中澤裕史さんのお話で興味深かったのが、干物を作る際の塩加減を数値化するという発想です。それまで「勘」で行われていた仕事を、裕史さんが東京で製造業に携わっていた時の知識を生かして標準化。加えて、妻の加奈さんが「子どもが食べてもおいしい、安全に食べられるもの」という視点を持ち込んだことで、干物の味のばらつきが減り、安定したおいしさと減塩にもつながったのだとか。商品改良も夫婦二人三脚で取り組んできたなんて、素敵なお話ですよね。

取材後は、中澤さんのお店でイカの塩辛や一夜干し、牡蠣(かき)の佃煮(つくだに)など爆買いいたしました。どれもおいしいのは言わずもがな!我が家の子どもたちと「これ、佐渡で獲れたイカだよ」「へえ〜!イカっていろんな食べ方があるね」と、会話をおいしく楽しみながらいただきました。

取材を終えて

今回の佐渡シリーズは、ごっつぉLIFEでは初となる、両津エリアに特化したつながりをご紹介してきました。両津で活躍する皆さんにお会いして、まだまだ両津って知らないことだらけだ……!と痛感しました。
もっと両津のことを知りたい!ということで、取材後には「両津郷土博物館」を訪ねてきました。

こちらの郷土博物館、看板を見かけてずーーーっと気になっていたのです。両津港から車を走らせ15分ほど。

「博物館↑」という小さい看板を目印に!

国道350号線から加茂湖沿いの道を走り……おお!加茂湖が目の前に!
さらに林の中を進んでいくと……ありました!
駐車場は、色水が入ったペットボトルで区切られているのがユニークです。

さて、両津郷土博物館に入館してみましょう。こちらの展示テーマは、「海」「くらしと木」「祭」の三つに分かれているようです。

まず目に飛び込んでくるのは、色鮮やかな大漁旗の数々!大漁旗は漁に出る人たちの無事と豊漁を願うもの。赤や黄、黒の大きな布がとてもカラフルですし、近くで見ると迫力がありますね!

奥へ進むと、北佐渡(海府・両津湾・加茂湖)で使われていたという漁撈用具(ぎょろうようぐ)が展示されています。なんと、展示物のうち2,162点は国指定重要有形民俗文化財に指定されているのだとか!す、すごくないですか……!?
荒い海に向き合い、その恵みを工夫と技術で受け継いできた島民の知恵が、ここに凝縮されているというわけですね。

次の展示室では、職人たちが手塩にかけた生活道具がずらり。農具、調理器具、漁具など、その種類の豊富さに、両津の人々の多様な営みが感じられました。
展示の中で一際目立っていたのが、直径3メートルもある巨大な味噌樽です!これで実際に味噌が仕込まれていたとは……思わず記念撮影をしたくなっちゃいますよね。ええ、もちろん撮りましたよ!アート作品のような迫力でした。

お祭りのコーナーには、佐渡に伝わる人形芝居でお馴染みの「文弥人形(ぶんやにんぎょう)」などが展示されています。佐渡は鬼太鼓や能など、地域で続くお祭りや伝統文化をとても大切にし続けている島です。こうした人形も長い歴史の中で、大事に扱われてきたのですね。本当に佐渡の文化って奥深い……まだまだ知らないことがたくさんです。両津の歴史や暮らしに思いを馳せる貴重な時間になりました。

さて、旅の締めくくりは、以前ごっつぉLIFEの取材でお世話になった、両津の「四季彩 味よし」さんへ。佐渡の魚介がたっぷり&おいしい海鮮丼をいただいて、夕方のカーフェリーで帰ってきました。

両津港からアクセスしやすい両津エリア、皆さんもぜひゆっくり足を運んでみてくださいね。

【参考】
両津郷土博物館
https://www.city.sado.niigata.jp/site/museum/460.html

四季彩 味よし
https://gozzo-line.com/gourmet/niigata/8214/

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