こんにちは!ごっつぉLIFE編集部です。
すてきな人や場所、ものとの出会いやご縁があると、心がワクワクしたり、自分も頑張ろうと思えたり、「あぁいいひとときだったなぁ」なんて振り返ってしまうもの。
思い出に浸る時間もまた楽しいものですよね。
これまでの取材を振り返る「ごっつぉライターのこぼれ話」では、取材のこぼれ話から、登場いただいた方々に聞いた地域のお話、ライターが感じたことなど、つれづれなるままにご紹介しちゃいます。
今回は、新潟エリアの小林履物店の小林正輝さんから始まったご縁を振り返ってみましょう。
目次
新潟市西蒲区・巻の商店街にある「小林履物店」。小林正輝(こばやし まさあき)さんは、店の四代目として下駄づくりに励んでいます。下駄や草履、カラフルな鼻緒がディスプレイされた店内は、“和”の情緒たっぷりで、あれこれ眺めるのが楽しい空間でした!
取材の中で印象的だったのは、物産展で出会う職人たちの話です。
「80歳くらいの方たちに会っても、皆さん気持ちが若いんですよ。冗談を言って周りを笑わせてばかりいる人が、後で聞いたら人間国宝だったなんてこともありました」と笑う小林さん。
「何をするにしても、楽しんでやっているかどうか。やらされている感がないのが大事」と力強く語っていた小林さんの思いの裏側には、年齢に関係なく、常に学び、楽しむ姿勢を持ち続ける職人たちの世界観があるのを感じました。その世界観が、小林さんの創作意欲を支えているのかもしれません。
お店に入ってすぐの場所には、巻のお店や観光など地元のショップカードやチラシが並んでいました。こちらは、小林さんの地元愛あふれるコーナーでした。
取材時に小林さんが仰っていた「地元があってこそ商売が成り立ち、技を磨く環境が整う」という言葉を体現されていました。
小林さんからご紹介いただいたのが、巻・竹野町にあるラーメン店「こまどり」。
「こまどり」を創業し、現在は会長を務める渡邉利明さんは、80歳を超えてもなお厨房でテキパキと調理をこなし、その姿もとても素敵でした。
「一日一回しかスープは作らない」「味噌を探しに五島列島まで行った」など、渡邉さんの言葉の端々から伝わるのは、味への探究心!全国各地の味噌を研究し尽くしたと語る様子からは、料理人としての誇りが感じられました。
県立巻高校の学生食堂が発祥という話も興味深く、渡邉さんが学生食堂を切り盛りしていたのは限られた期間でしたが、今もその時代の卒業生たちが思い出の味を食べに訪ねてくるそうです。
「もうみんな立派なおじさん、いや、じいちゃんか(笑)。お子さんやお孫さんを連れて来てくれたりしてね」と渡邉さんは嬉しそうにほほ笑んでいました。
そして、現在絶賛開発中という新メニュー「ごぼうラーメン」も楽しみです!
「こまどり」に初めて行く方は、まずは「味噌ラーメン」と「餃子」からどうぞ〜!
「つながる人」として、小林さんから紹介していただいたのが、蒔絵の伝統工芸士である佐藤裕美(さとうひろみ)さん。
佐藤さんのご実家である林仏壇店を訪れると、佐藤裕美さんは世にも美しいお猪口「宙COCORO(そらこころ)」の制作の真っ最中でした。
「伝統工芸士」という輝かしい称号を持つ佐藤さんですが、ご両親も伝統工芸士の資格を持つ、まさに職人一家のご家庭!ですが、家業を継いで蒔絵師として歩み始めた道は決して平坦ではなかったようです。
「最初はあまりやる気がなくて、友人たちが華々しい業界に進むのが正直うらやましかったです」という告白に、葛藤とそれを乗り越えるための創作への情熱がうかがえました。
代表作である「宙COCORO」は、現在3〜4ヶ月待ちという大・大・大人気商品になったというから、すごいですよね!
「作品を通じて、新潟の文化や伝統を感じてもらえたら」という佐藤さんの言葉には、伝統技術を未来につなげていきたいという思いが込められていました。
最後にご紹介いただいたのが、「笹祝酒造」の笹口 亮介(ささぐち りょうすけ)さん。
六代目になる笹口さんは、酒蔵の常識を覆すユニークな取り組みをされているのが印象的でした。
中でも私が惹かれたのが「蔵開き」と「Be Lucky」をかけた「蔵Be Lucky!」や「ささっ!笹祝!Celebration!」といった、キャッチーで親しみやすい言葉で日本酒の世界観を伝えていたこと。
「酒蔵って結構重厚なイメージを持たれている方も少なくないので、もう少しカラッとして開放的な楽しいところだということを伝えたいと思っています」と笹口さん。
伝統を守りながらも新しい価値を生むこと、自由な発想を大切にして、従来の酒造りの常識から離れた視点を心がけていることなど、笹祝酒造六代目としての展望を語ってくださいました。
4月26日(土)・27日(日)には「蔵Be Lucky! 2025 春」が開催されます。ぜひ、足を運んでみてくださいね!
これまで何度も「つなげる人」をご紹介してきた新潟市シリーズ。
広〜〜い新潟市の中で西蒲区を取り上げるのは“初”となりました。
西蒲区はプライベートでも出かけることが多く、海水浴場やワイナリーが点在する角田浜周辺や上堰潟公園、岩室温泉界隈などなど、お気に入りの場所が多い地域だったりします。
今回の取材の中で「久しぶりに行きたいな〜!」と思ったのが、佐藤裕美さんが「マイごっつぉ」で紹介してくださった西川・曽根エリアにある「そら野テラス」です。
春休み中だった子どもたちを連れて、行ってまいりました!
オープンは2016年5月。「そら野テラス」は大きく分けると、「農園のカフェ厨房 TONERIKO(トネリコ)」、直売所の「そら野マルシェ」、お惣菜などを販売する「そら野デリカ」、収穫体験などが体験できる「そら野ファーム」があり、食と農業をまるごと楽しめる農園です。
広場にはウサギやリクガメ、シマリスがいたりと、小さなお子さんにも人気のスポットなのです。
それなりに成長した我が子たち、「そら野テラス」でのお目当てはかわいい動物たちかと思いきや……「ソフトクリーム!」「おにぎり!」と食べ物に目がない様子。さすが、食い意地が張っている私の子ですね……。
直売所の「そら野マルシェ」では、ちょうど越後姫のシーズンで、真っ赤な甘い香りをしたイチゴがたくさん並んでいました。他にも季節の野菜や西蒲区で取れるお米、調味料やお菓子など、なかなかお目にかかれない商品も多く、買い物かごを持ってウロウロとしてしまいました。
さて、早速「そら野おにぎり」と「ソフトクリーム」を注文!
この二つは「そら野マルシェ」の一角にある、惣菜コーナー「そら野デリカ」で購入できます。ソフトクリームは越後姫とミルク味、おにぎりは「シャケ焼きほぐし」(1個284円)を選びました。
おにぎりは「そら野ファーム」で取れたコシヒカリを使用し、注文を受けてから一つずつ握ってくれるというこだわりぶり!甘みと粒感を感じられる絶品おにぎりです。ぜひ、テイクアウトで出来たてを味わうことをおすすめします。
広場には花の苗が販売されていて、春がすぐそこまで近づいているのを感じた一日でした。5月にかけては周辺で田植えが行われ、水面に映った空が一段と美しい時期です。
海があり、山があり、のどかな平野、そして個性さまざまな街が広がる西蒲区。読者の皆さんも、ドライブしながら訪ねてみてくださいね。
【参考】
そら野テラス https://sola-terra.jp/