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ごっつぉライターの取材こぼれ話【あがの、ごせん編】

こんにちは!ごっつぉLIFE編集部です。

すてきな人や場所、ものとの出会いやご縁があると、心がワクワクしたり、自分も頑張ろうと思えたり、「あぁいいひとときだったなぁ」なんて振り返ってしまうもの。
思い出に浸る時間もまた楽しいものですよね。

これまでの取材を振り返る「ごっつぉライターのこぼれ話」では、取材のこぼれ話から、登場いただいた方々に聞いた地域のお話、ライターが感じたことなど、つれづれなるままにご紹介しちゃいます。

今回は、阿賀野市の庵地焼 旗野窯の旗野さん三姉妹から始まったご縁を振り返ってみましょう。

1人目:「庵地焼 旗野窯」の旗野 麗子さん・聖子さん・佳子さん

150年以上続く、焼き物文化が色濃く残る阿賀野市の安田地区。明治11年(1878年)に創業し、その時代から続く唯一の窯元として「保田焼(やすだやき)」の伝統を継承している窯元が「庵地焼(あんちやき)」の旗野窯です。
旗野窯を継ぐ旗野麗子さん、聖子さん、佳子さんの三姉妹のお話では、庵地焼の歴史から作り方まで語っていただきました。

中でもごっつぉライターの印象に残ったのが、土づくりから手作業で行っていること。土を購入して作られる一般的な焼き物とは異なり、「庵地焼」は地元の粘土から作られること、その工程がとても地道で重労働であることに驚かされました!
(旗野窯のInstagramに土づくりの様子が幾つか動画でアップされているので、こちらもぜひご覧ください!)

「庵地焼はこれだけの手間をかける必要があるものなんです。少しでも手を抜いたら、庵地焼らしさは失われてしまいますから」と旗野さん。その言葉に、個性と使いやすさを追求してきた庵地焼への思いを実感しました。
私も「垂れない醤油差し」を購入しましたが、独特の風合いととにかく垂れない!という使い勝手の良さがお気に入りになりました。

旗野さんのおすすめグルメ「食堂なみ丸」

旗野さんから「海鮮丼がおいしいのよ!」とご紹介いただいたのが、阿賀野市にある「食堂なみ丸」です。
昨年オープンしたばかりの「食堂なみ丸」は、昼は海鮮丼と定食を提供する食堂、夜は一品料理やお酒を居酒屋風に楽しめる、地元で人気急上昇中のお店です。

旗野さんおすすめの「得 海鮮丼」は、盛り良し!味良し!手作りのコロッケも昔懐かしい味わいがおいしく、取材クルーも「おいしい〜!幸せ〜!」と仕事で伺っていることを忘れそうになりました(笑)。

店主は、高級旅館や温泉宿で和食の料理人として経験を積んできた、波多野康輔(はたのこうすけ)さん。
「旬の魚のおいしさを味わってもらいたい」と、毎朝市場へ足を運んで魚の目利きに学んだり、調味料もなるべく県産素材にこだわるなど、料理にひたむきに向き合っていらっしゃいました。

夜は近隣の企業が貸し切りで利用したり、常連のお客さんの「料理はおまかせで!」「こんなのが食べたい!」といったリクエストに応えているそうで、地元で愛されているのが伝わってきますよね。
お店のお隣には「安田温泉 やすらぎ」もあるため、温泉で癒やされた後のお食事にもおすすめです!

2人目:「かわらティエ/安田瓦協同組合」の加茂 豊和さん

お一人目の「つながる人」は、かわらティエ/安田瓦協同組合の事務長を務める加茂豊和(かもとよかず)さん。加茂さんは2023年にオープンした安田瓦に触れて学べる体験型産業施設「かわらティエ」で、阿賀野市安田地区で受け継がれてきた安田瓦のブランド発信を行っています。

福島から移住してきた加茂さんですが、地元では身近すぎて価値の偉大さを実感しにくいという点を、安田瓦と地元・福島の特産である桃を例にして話してくださったのが印象に残っています。
普段、新潟で暮らしている私たちにとって当たり前のものが、外から見れば地域の宝であることは多々あることです。加茂さんの言葉に、それを「忘れちゃいけないよ」と言われたような気がしました。

そして、取材中一同が驚いたのが、昭和40年代、北海道にある「網走監獄」の屋根の修理で、安田瓦が使われていたといわれていること!耐久性に優れた安田瓦は歴史的建造物の保存や修繕といった場面でも、これからますます重宝されそうです。
さらに、安田瓦の次なる目標は県外への販路開拓。県外での販売実績を重ねて、全国に向けて安田瓦の価値を伝えたいと奔走中の加茂さんを応援しなければ!

3人目:五泉市のれんこん農家の羽賀 恵子さん

最後にご紹介いただいたのが、五泉市でれんこん農家を営む羽賀恵子(はがけいこ)さん。30年以上れんこん栽培に携わってきた羽賀さんは、10年前に慣行栽培から無農薬・無化学肥料栽培に転換して、れんこんを作り続けています。

羽賀さんのれんこんは「澄んだ味がする」との評判で、味はもちろん皮ごと使える点でも料理人の方々からも注目を集めているそうです。
取材では羽賀さんのれんこん田も見せていただき、膝上くらいまで浸かりながらの作業が大変そうだったのですが、羽賀さんはれんこん田の中でもニコニコされているのが印象に残っています。

れんこんのレシピの話では、取材中に「これもおいしそう」「こんな料理はどうですか?」などいろんなアイデアが飛び交い、れんこんは意外と何にでも使える野菜なのだと再確認。
大きく切ったり細かく切り刻んだりしながら食感の違いを楽しむのもいいですし、すり下ろしてとろみ代わりに使うというアイデアも「なるほど!」と思いますよね。

さて、8月は新れんこんの時期!シャキッとみずみずしいれんこんが並び始めます。
ぜひ、羽賀さんのれんこんを味わってみてくださいね。

取材を終えて

「ごっつぉLIFE」では、今回の「つなげる人」「つながる人」からそれぞれの方を2週にわたってご紹介してきました。
今回、取材した旗野さん、加茂さん、羽賀さんをつなぐキーワードといえば……「土」。

土から作る庵地焼に、地元・安田の粘土で作られてきた安田瓦、れんこん栽培の肝となる土。
その土地のパワーの源ともいいますか、そういったものを改めて感じてみたいと思い、取材後に安田の観光スポットにもなっている「やすだ瓦ロード」を歩いてみることにしました!

散策のお供はこちら。

「かわらティエ」や「瓦テラス」にも置かれている「やすだ瓦ロードマップ」です。これがあると散策しやすいですよ〜!
https://www.city.agano.niigata.jp/material/files/group/17/kawaramap.pdf

さて、「瓦テラス」から歩いてほんの数分。まずお目見えするのが、立派なレンガの煙突です。

こちらは「やすだ瓦ロード」のランドマークで、昭和50年代半ばまで使用されていたそう。レトロで趣がある煙突は約16mの高さで、真下から見上げてみると迫力がありました!

煙突の隣の敷地には、以前取材でお世話になった「丸三安田瓦工業」さんが。道沿いには「瓦飾りのバス停」と「瓦庭園」があり、黄土色の壁には阿賀野市に吹く「だしの風」をイメージしたという装飾と、大きな鬼の瓦が飾られています。建物の壁面もよく見ると全て瓦・瓦・瓦!インパクト大です!

続いて、ここからさらに数分向かった場所にあり、鬼瓦のモニュメントが迎える「さんかく広場」へ。積み上げられた瓦のてっぺんに強面の鬼瓦……これは泣く子も黙りそう(笑)。

「さんかく広場」から小路に入ったところには「鬼瓦のさんぽ道」と「やきもの広場」があります。
「やきもの広場」には可愛い猫が乗った屋根瓦と、こちらも迫力満点の鬼瓦の巨大モニュメントが!

でも、よ〜く見ると鬼瓦の目がまんまるで、とっても優しい表情に見えてきませんか……!?魔除けや厄除けの意味を持つとも言われる鬼瓦、ぜひ間近でじっくり観察してみてください!

「やすだ瓦ロード」を散策した後は、瓦ロードのスタート地点にもなっている「瓦テラス」のレストランへ。「瓦テラス」は瓦を通じて食や地域をつなぐことを目的とした施設で、レストランではオープン当初からうなぎを提供していることでも有名です。

「瓦テラスはカフェのパフェもおいしいよ」と旗野さんに聞いていたのですが、今回は暑い中の散策だったこと、土用の丑の日が近いこともあって、贅沢にも「国産うなぎ丼」をいただいちゃいました(食後にはカフェでソフトクリームも……)。

炭火で焼き上げた香ばしくふっくらとした愛知県産のうなぎと、甘辛いたれの相性も抜群!他にも「極み丼シリーズ」や「安田瓦の陶板焼き」などのメニューもあります。

安田地区は実際に訪ねてみると、見どころがたくさんあることを改めて実感します。
見学や体験、買い物、食事など、さまざまな角度から安田の“土”の恩恵と歴史、楽しさを感じてみてもらえると嬉しいです。ごっつぉさまでしたー!!

【参考】
瓦テラス
https://kawara-terrace.jp/
やすだ瓦ロード
https://www.yasuda-kawara.jp/play/

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