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三条市・只見町・南会津町と結束! 八十里越開通に向け 街に新たな人の流れをつくる。

三条市・只見町・南会津町と結束!八十里越開通に向け街に新たな人の流れをつくる。

けんおうkenoh
下田郷開発

佐野 英憲 (さの ひでのり)さんの自己紹介

出⾝は三条の中⼼街。結婚を機に妻の実家がある下⽥郷へ移り住みました。今は下⽥郷開発の統括として働いていますが、もともとは調理師なんです。若い頃は和⾷の調理師で東京の寿司屋で5年ほど働き、その後、腕を試したくてスイス・ジュネーヴの寿司屋、パリの⽇本⾷レストランへ。⽇本に帰ってきて間もなく結婚し、ちょうどその時に下⽥郷開発が運営する⽇帰り温泉施設「いい湯らてい」で料理人として働き、2018 年から2021年まで、同じく下⽥郷開発が運営する「道の駅 漢学の⾥ しただ」の3代⽬駅⻑に就任しました。現在は、両方の施設を管理しつつ、下田を活気溢れる街にするための企画・商品開発に奮闘しています。

PROLOGUE

三条市の中央に流れる清流・五十嵐(いからし)川のせせらぎを感じながら、国道289号八十里越街道へ。

街中から徐々に自然豊かな里山へと移り変わる景色を眺めながら車を運転していると、道の駅ののぼりが見えてきました。

訪れたのは、三条市下田地区(以下、下田)にある「道の駅 漢学の里 しただ」。

以前はトイレだけの簡易的な道の駅だったそうですが、2013(平成25)年にリニューアルし、直売所とレストランを併設。
2023年でリニューアル10周年を迎えた施設です。

直売所では道の駅オリジナル商品がたくさん販売されていました。

場所は、2026年の開通を目指して現在工事中の八十里越街道から少し上がった丘陵地。

「八十里越」といえば、河井継之助が最後に越えた峠としても有名です。

お会いするのは、2021年まで4年間、駅長として活躍された下田郷開発の佐野英憲さん。
駅長を退任されてからはどんなお仕事をされているのでしょうか?
お聞きしたいことがたくさんあります。

INTERVIEW

女性たちが大活躍!雇用を生み、定住人口増加を目指す。

「道の駅 漢学の里 しただ」と「いい湯らてい」を運営する下田郷開発で、統括事業部長として2つの施設を管理している佐野さん。

道の駅の特徴を聞いてみました。

「他の道の駅と特別に違うのは、施設内に加工所を併設していて、直売所、レストランも、地産地消にこだわったメニューが充実していること。

地元のお母さんたちを雇用しながら、ここで下田らしいお菓子を作って売る流れをつくっています」

(道の駅の加工所で手作りされた「ごんぼっ葉(オヤマボクチの葉)笹団子」は看板商品。)

道の駅 漢学の里 しただで購入できる笹団子は、ヨモギではなくオヤマボクチの葉をつなぎに使用した、濃い緑色とショキショキ食感が特徴です。

ちょうど蒸しあがったばかりの「ごんぼっ葉笹団子」をお目にかかることができました。

これまでは笹団子やおまんじゅうと、和菓子中心の商品を製造されてきましたが、洋菓⼦部⾨を新設。
新たな⽅向性で商品を展開していくようです。

「2023年6⽉から、東京・渋谷にあるショコラティエ『テオブロマ』や銀座の『ブルガリ イル・チョコラート』で腕を磨いてきた下⽥出⾝のパティシエを採⽤しました。

新しく販売し始めたのは、ティラミス、三条の桃を使ったゼリーとムース、マンゴーの洋菓⼦。

道の駅のお⼟産品としてだけでなく、レストランのメニューとしても提供を検討しています」

(2023年8月から販売し始めたばかりの新作スイーツ。「三条産桃とラズベリーのバニラムース」)

館内で営業する「農家レストラン 庭月庵 悟空」の看板メニュー手打ちそばも、地元出身の女性が打ったものを提供されているそうです。

かっこいい……!

地元食材を加工して和菓子を作る女性。
洋菓子を作る女性。
そして、そばを打つ女性。

いろいろな経歴を持つ女性たちが、道の駅 漢学の里 しただで活躍しています。
その背景には、佐野さんの強い想いがありました。

「八十里越街道の開通で観光人口は盛り上がる兆しがありますが、私の目標はこの地域の定住人口を増やすこと。
そのためには住民一人一人が稼ぐ力を身に付けなければいけません。

下田の自然や野菜を有効活用しながら、ちゃんと稼げる仕組みを作って次世代にバトンをつなぎたいです。

関東の⼤学を出て都内で就職するのではなくて、⼤学を出て地元で働きたいと思えるような魅⼒を。

地元にいながら同年代よりも稼げる仕事があったら、若い子たちも地元で働きたいと思えるようになるはずです」

道の駅、八十里越エリアと連携した商品開発。

道の駅 漢学の里 しただの加工所で作られる商品は、自社で販売するものに限りません。
実は、他の道の駅のPB(プライベートブランド)商品もここで作られています。

(ちょうど天日干しされていた田上産『越の梅』の梅干し。)

「道の駅たがみの梅と下田の赤ジソを入れた梅干しや、道の駅加治川の『越後姫(イチゴ)』を使った『かじかわいちごまんじゅう』をPB商品としてこちらで作っています。

大手の会社で作るとたくさんのロット数を求められますが、うちなら小ロットから作ることができる。
道の駅間での連携を強化することで、地域一体となっておもしろいことをやろうと動いています」

最近では下越エリアの道の駅駅長が一堂に介する「駅長会」を企画し、定期的に開催。
自分たちだけでなく、みんなで街を元気にしようと声を掛け合って商品開発、合同イベントを行ってきました。

ライバルではなく、同じ地域の仲間として手を差し伸べる佐野さん。
懐の深さを感じます。

他社とのコラボ企画は、八十里越でつながるお隣福島県の只見町や南会津町にも派生しているようです。

(道の駅 漢学の里 しただ館内にも、八十里越関連の展示物がたくさんありました。)

八十里越街道の開通に向け、「越後・南会津街道 観光・地域づくり円卓会議」が行われるようになり、同じ八十里越エリアにある福島の人々との交流も増加。

2021年、只見町の蒸留所ねっかとコラボして米焼酎「八十里越」が開発されました。
原料は下田と只見町の棚田米。
それぞれの地域性が光る商品です。

米焼酎の商品化以降、地元食材を使った地酒の開発はさらに進展しています。

(佐野さんがプロデュースした多彩な地酒。写真左から「ブルーベリーワイン」、日本酒「しただみ」、米焼酎「八十里越」、「ふたつの梅をブレンドした -福顔の梅酒-」)

地元三条市唯一の酒蔵・福顔酒造とのコラボで日本酒「しただみ」や、田上の梅を使用した梅酒を商品化。

下田で採れたブルーベリーを100%使用したブルーベリーワインは、南魚沼市の越後ワイナリーさんの醸造によって実現しました。

「最初は、ねっかの脇坂さんに『八十里越にあやかって、アルコール度数80度越えの酒を作ってくれ』ってお願いしたんですけど、『それはウォッカの資格がないからだめ!』って言われちゃって(笑)。
そこから、2つの地域の米を使った米焼酎作りが始まりました。

かつては八十里越峠を通じて、新潟と福島でモノと人との交流があったわけです。
感慨深いものがありますよね。

只見町、南会津町との交流を深めることで、八十里越峠エリアを盛り上げていきたいです」

EPILOGUE

美しい棚田を後世につなぐ!

下田の農産物を活用した商品展開を多彩に行ってきた佐野さん。
ご自身でも、棚田で米を栽培されていました。

しかも!遊歩道が整備され、下田の観光スポットとして知られる「北五百川(きたいもがわ)の棚田」が佐野さんの田んぼなのだとか。

目が点になりながら、棚田の魅力をたっぷり教えていただきました。
すると……

「うちの棚田、行ってみます?」と佐野さん。
満場一致で車に乗り込み、道の駅から5分ほど移動して棚田に到着しました。

到着する直前に見えた景色もものすごくきれいでしたが、丘の上から眺める棚田の景色は格別でした。

広い空と雄大な山々。そして棚田と麓の集落。
そこには、日本昔ばなしに出てきそうな、のどかな景色が広がっています。

棚⽥を望む丘の頂上には、佐野さん宅が所有する東屋もありました。

(三条市を舞台に展開するテレビドラマ『DIY!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』の撮影も、ここで行われたそうです!)

四季の移ろいが感じられる棚田の景色が「一番のお気に入り」と佐野さんは言います。

「下田の自然って、他の土地とは時間の流れが違うと思うんですよね。
せかせかすることがなく、いつでも穏やかで。

『帰ったら山でも眺めながらBBQしようかな』なんて思えるほど、独特の空気感があるんです。

キャンプやBBQで自然を満喫してから、嵐渓荘やスノーピーク、いい湯らていのお風呂に入れば最高に気持ちがいいですよ。

八十里越街道の開通は歴史という切り口で注目が集まっていますが、下田の自然を楽しむという切り口もある。

下田のシンボル・八木ヶ鼻、そして棚田の景色も見に来てください。
美しい棚田を後世に伝えられるように、挑戦を続けていきます」

(左:にいがた景勝100選に選ばれている景勝・八木ヶ鼻を望む、いい湯らていの露天風呂。
右:美肌や美髪の効果も期待できるいい湯らていのナノミストサウナは佐野さん一押し。
※佐野さんご提供画像)

2つの交流施設の運営を任されながら、下田の自然を活かした活動にも尽力されている佐野さん。
地元農産物を活用した展開と、自然を活用した展開。
「道路開通までにいろいろ仕掛けていきます」と意気込みを聞かせてくれました。

八十里越街道の開通まであと3年。
勢いを見せる三条市・下田に注目です!

 お店の情報 
道の駅 漢学の里 しただ
三条市庭月451-1
電話番号:0256-47-2230
営業時間:農産物直売所 彩遊記9:00~16:00、農家レストラン 悟空11:00~15:00(LO14:30)/冬季間(12月~3月)農産物直売所 彩遊記10:00〜15:00、農家レストラン 悟空11:00〜15:00(LO14:30)
定休⽇:年末年始(12/31~1/3)1月・2月毎週月曜(祝日の場合は翌日)
HP:https://www.michinoeki-shitada.com
facebook:https://www.facebook.com/kangakunosato.shitada

(※佐野さんご提供画像)

 施設の情報 
いい湯らてい
三条市南五百川16-1
電話番号:0256-41-3011
営業時間:10:00〜21:00(最終入館受付20:15)
定休⽇:毎月第3水曜※祝日の場合は翌日休館
HP:https://www.iiyuratei.com
Instagram:https://www.instagram.com/iiyuratei01/

 参考情報 
・ねっか -福島県只見町の酒造メーカー-
https://gozzo-line.com/aizu/4524/

佐野さんの特別なこと
大地のエネルギーを感じる下田の景観
里山で育った米、野菜、果物を
最大限に活用した商品展開に
他の道の駅との交流から生まれるPB商品、
2026年開通予定となる
八十里越街道の今後にも注目です。
下田の美しい魅力、教えていただき
ありがとうございました。
ごっつぉさまでしたー!!

佐野さんの#マイごっつぉ

北五百川の棚田

下田郷開発 統括事業部長の佐野英憲さんにとって特別なこと「マイごっつぉ」は、北五百川の棚田。「日本の棚田百選」や「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~(ポスト棚田百選)」にも選ばれ、観光客が訪れる下田を代表する観光スポットの一つです。「稲が実る秋は一番きれい。でも、春もいいですよ。自分たちで植えた桜とカタクリの花が咲き誇り、残雪の時季には粟ケ岳の雪景色と、花々のコラボレーションが見られます。下田に遊びに来たついでに、ぜひ見に来てください」。私たちごっつぉLIFE編集部もお邪魔させていただき、息を呑むほどの美しさに圧倒されました。季節が変わるとどんな景観が広がるのが、とても気になります。佐野さん、ありがとうございました!

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